現代人のダイエットに対する関心は
止まる所を知らない
手を変え品を変え
年がら年中
「ブーム」があり
「健康指向」があり
踊らされる人たちがいる
いくらでもネタはある
肥満は悪である
飽食と肥満は罪悪であり
高脂血症は断固として対応すべき...etc.
「デブ禁」の錦の御旗の元に
「節制こそが善」
という風潮がひろがる
もちろん「節制すること」はいい事で
自分の身体にコンシャスになるのは素晴らしいことだ。
しかし体を壊すような非科学的なダイエットや
「全ての問題はダイエットの失敗にある」
という間違った思い込み、敗北感、罪悪感。。。
その不安感や焦燥感につけこむ
「健康ブーム」の商業主義
これだけ情報が氾濫する世の中では
セルフイメージの崩壊は自己否定につながり
すべてネガティブな反応に跳ね返ってくる
過度なダイエットは様々な問題(時に致死的な)を
引き起こすことだってある。
つまり、みんな極端すぎるのだ
あまりに結果や成果に拘り
誰もが夢のような肉体を
今すぐ手に入れられると思ってる
何のためのダイエット?
元気に長生きするため?
「長生きする」ことは本当に素晴らしいことなのか?
誰でも病気はイヤだ
痛かったり苦しかったりはご免だ
死ぬまで「元気でいたい」
では、いろんな事を我慢して生きていく事の意味は?
無条件にただ長生きする事が
必ずしもいい事ではなさそうだと
いうことに
みな気づいてしまった
細心の注意を払って
健康に留意して
節制して完璧な対策を
取っていたとしても
次の瞬間
豆腐の角で頭をぶつけて
死んでしまう事があるのが
人生なのだ
不自然な
健康ブームという
不健康な世界
来週人間ドックなので、酒を節制しよう とか
主治医に怒られるので(?)血糖をちゃんと調べようとか
目標体重を気にして急遽ダイエットしようとか。。。
まさに本末転倒だ
医学的に「リスク」という考え方では
「こういうタイプの高脂血症が、将来心筋梗塞で死亡する確率はXX」
「従って「心筋梗塞のリスクを下げる為にカテーテル」をするべきだ」
「同時にこういう薬を開始し維持すべきだ」。。。etc
医師として医学者として、「論理的な」でリーズナブルな考えだと思う。
しかし、現時点で論理的であったとし
それで隙間なく医療が進んでいったとしたら
それはそれで問題があると思うのだ
逆に「何もしない」という方法
先日言及したwithhold と withdraw
医学的には望ましくなくても本人が納得すれば、是とする。
それにより「寿命」に多少の変化があっても
それがどーしたの?という
達観するチョイスがあってもいいではないか。
うまく説明できないけれど
現代社会の死生観は
自転車で喩えれば
「あそび」がなさ過ぎる気がする
要はバランスなんだろう。
以前紹介した「メキシコの漁師の話」と
「不良長寿とフィンランド症候群」を思い出す。
本当に幸せな生活って何だろう?