助けあいジャパン

April 28, 2013

清潔と不潔

6-17-2008 エントリー(再掲載)revised

不潔と清潔

滅菌操作とか消毒処置とか僕らの仕事では「感染症」予防のノウハウがある。今の時代になっても人間が生きていく限り、感染症との闘いが続く。

衛生観念は人によって、文化によって、国によって違う。つまり「これは不潔だ」とか「これなら清潔だ」という観念というのは、科学的根拠とは別のところで存在している。

僕らがアメリカに住んでいたとき、長女かなぴーが生まれハイハイをしだした頃、僕らは土足で歩く場所でハイハイさせたり、その床をべろべろ舐める(笑)彼女を、「うわー、だめだめっ!病気になっちゃう!」なんて言っていたけど、アメリカ人の親は全然平気。医学的に言えば確かに人間はそんなに弱くないんだけど、観念的に僕ら日本人は「ちょっとねー」って感じがある。

イギリス人の同僚と仕事場でランチ。彼女がちょっと用事があり立ち上がるときに食べていたサンドウィッチを机の上に、「そのまんま」おいたことにもショックを受けた。ニュージーランドでは、コーヒーを飲むときに同僚ドクターが白衣からボールペンを出して、クリームを入れてかき回すのにビックリした。日本じゃまずアリエナイ。

逆に、同僚と当時LAで流行りだしたお寿司屋さんに行ったとき、「ねえ、マーク、素手で握って不潔じゃないの?」なんて聞かれてビックリした。考えてみればお箸だって滅菌しているわけじゃないし、割り箸だってどれだけ汚染しているかわかったもんじゃない。ちょっと前に話題になった「賞味期限」の問題だって、かなり科学的には怪しいもんだ。

病院にはユニヴァーサルプリコーションという清潔観念があるが、国によってはかなり適当なところもあるらしい。手術器具を床に落としても「3秒以内だったらOK」(プロレスかよっ!)なんて国もあるらしい。

ちなみに日本でもやっと「清潔のイメージ(?)」である一般的な「白衣」そのものがかなり「汚い」ということが解ってきて、欧米では白衣を着ないのが一般的になってる。とくに医者のネクタイは最悪の汚染度だということも常識。白衣なしの診療は日本じゃまだ一般的ではないけれど。

東南アジアのリゾートに遊びに行った日本人観光客が、海から上がってきた捕れたてのぴちぴちした魚をお刺身にして食べる。新鮮だから大丈夫でしょって感覚。でも、下水道もない国の海は、病原菌がうじゃうじゃで汚染されているわけだ。きれいそうに見える海なんだけど。

もともと人間はそんなに弱いもんじゃない
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