就任当初は、安倍首相ドタキャン辞任の後始末で、火中の栗を拾うのに適した実務的な人に見えたし、話していることは冗長ながらもまっとうで真面目に見えたんだ、この人。で、彼のもともとのキャラが、大多数の一般大衆に好かれるタイプのものでなくて、人気の出ないことは彼自身が一番良く知っていたので、こつこつ仕事をしようとした、と思う。国民に迎合した小泉や安倍とははじめからスタンスは違ったことはたしか。でも、衆参ねじれ国会とか与党内のまとまりのなさとか様々な不祥事とかという不運があった(どんな政権にもある)にしても、それを総合的にマネージする力量がなかったってことが、「致命的」だった。
ま、でもそれを選んじゃった、というか選ばせちゃったのは我々国民だもんなぁ・・・
福田さんは、辞める理由、政権を維持できない理由、政策が反映できない・・・デキナイ理由ばかり説明していた。彼がどんなに言葉を尽くして説明しようとしても、自分の非力を曝け出して政権を放り投げた、としか見えないのだ。それなりの同情すべき隠された理由はあるのかもしれないけど、日本の政治の顔なんだから言い訳をしちゃいけない。プロは言い訳をしちゃダメなのだ、どんなことがあっても。
言葉の端々に「鴻鵠(こうこく)の志、燕雀(えんじゃく)いずくんぞ知らん也!」って感じがする。
僕ら政治家の、鴻鵠(おおとり)の志の高さとその苦労は、あめーら民衆(燕や雀)には解らないんだよ! ってニュアンスというか。ま、これも原稿を書いた奴がいるとすれば、大衆をなめている、つーかセンスがなさすぎ。ある意味では、自民政権の苦境を大逆転する大チャンスだったのかもしれないのに。スピーチひとつで世の中が変った例は、政治の世界では枚挙いとまないのだから。
程度の低いマスコミも問題。日本を代表する大新聞社の記者でさえあの程度の質問しか出来ないんだから。もっとも自民だけじゃなくて与党公明党は問題外だし、野党民主党は自民党以下で、2大政党制度なんて夢のまた夢なんだけど。やれやれ。
それにしても昨夜から今朝ー本日にかけての海外のメディアの反応は冷たかった。それが日本の政治に対する正直な評価なんだな。情けないというか、なんというか。こんな感じだからみんな政治に白けてしまうんだよな。悪循環なんだけど。