今日はつくばで開催されている学会にスケジュールの関係で日帰りで出席。つくばエクスプレス(TX)で便利になったとはいえ、やっぱ遠いわ>つくば(笑)。帰路のがらがらのTXで本を読んでいたら、隣の若い男性が携帯で話をしている。どうも上司との会話らしい。聞くとはなしに聞いていると(笑)、「ちょっと・・・」という言葉を連発している。
「それは・・・ちょっと難しいんですが。あっ、はい、でも、ちょっと・・・。はい、ちょっと待ってください、確認しますから・・・・ああ、はい、ちょっと検討します。」・・・って感じ。
「ちょっと」って言葉って面白いなあ。僕自身結構使っている気がする。
英辞郎で検索してみると、予想通りの記述。
bit●doc〈俗〉〔名前の分からない男性に対する呼び掛け〕●kind of〔断定を避けるため、表現を和らげるために使う〕●sort of〔【用法】動詞・形容詞の前に置かれる〕
【間投】hey●psst〔人の注意を引くときに発する〕●yoo-hoo〈呼び掛け〉
【自動】listen〈話〉〔命令形で◆相手の注意を引く〕
【副】a little●just●lil〈話〉〔little の視覚方言〕●slightly●
人差し指と親指の距離は1cmくらいの感じで、a bit なんだけど・・・
でも、日常の色んなパターンで微妙なニュアンスがあるんだよね。曖昧な日本語特有な便利な言葉。
もちろん、英語でもよく使う It's a bit difficult to do it.って表現はある。 直訳すれば、「ちょっと難しい」なんだけど、「ちょっと努力すれば可能」って意味じゃなくて、「まず不可能」ってニュアンスだよね、この場合。日本人には解りやすいけど、誤解は受けやすい表現ではある。
最近僕が使っている学研の「現代新国語辞典」によると、「ちょっと」は・・・
①時間が短い様子。しばらく。
②数量や程度が「わずか」である様子。すこし。やや。
③②を逆説的に用いて。けっこう。かなり。例:ちょっと見ごたえがある
④(下に打ち消しの語を伴って)簡単には。少しのことでは。例:ちょっとやそっとでは思いつかない (「そっと」って何だ??<爆)
⑤気軽な呼びかけとして。 例:ちょっと君!
⑥ちょっとした(連体):①たいしたことでなく②(逆説的に)かなりの、相当な 例:ちょっとした掘り出し物
⑦ちょっと見:ちょっと見ること。ちょっと見た感じ。例:ちょっと見にはきれいだが、作りは雑。
この逆説的な使い方っていうのが曲者で、僕らは日常生活の中で無意識に多用しているんだよね。「言い訳」やら「できない理由」を散りばめながら、自己保身している。
上述した「現代新国語辞典」の記述にない使い方。
「ちょっと・・・、なにこれ!」:ちょっと(待って)!という意味だが、「私は待てない!」という意味の逆説的な怒りあるいは感動の状況。主に女性が使う(爆)。
「ちょっと信じられない!」:すごく感嘆した様子。ちょっとじゃなくて、「すごく」と同意。
「ちょっと解りません」:じゃあ、大部分理解しているのか?と問うと、実際には「全然理解してない」という学生の言葉。
などなど・・・。
学生の卒論には最適な題材だと思うんだけどな。誰か研究しない?