助けあいジャパン

February 29, 2012

366の一日

閏年。超多忙盛りだくさんの2月29日だった。朝から大雪。重いぼた雪。どんどん積もるので総出で雪かきをして汗を流してくれたスタッフ、ご苦労様。

外来終了後、看護学校の講義へ移動。90分の講義1本。小児がんについて。僕の講義はディスカッションして進める講義なので、決して学生を寝かせない眠らせない(笑)。というか、学生が眠くなる講義だったら、やらないほうがいいと思う。そのくらい真剣勝負で90分やるので、終了すると僕も学生もヘロヘロになる。50歳を過ぎた頃から学生と過ごす時間が一層楽しくなった気がする。

講義終了後、講師控え室に質問にくる学生数人。真面目で一生懸命で、たいへんよろしい。講義や授業をしたあとに、質問が出ないくらい寂しいことはないから、まずまずだったということか。
ところが質問に来た男の子が、最後に「あのう、パワポをコピーさせてもらっていいですか?」とUSBを差し出した。「はあ???」
僕には、はじめ彼の言っている意味がわからなかった。「それはダメだろう、普通」意外そうな表情。彼らからすれば、講義内容のスライドなんて、もう観ているものだしアタリマエにコピー出来るものだと思っていたらしい。なぜダメなのかは多分彼等は理解してないみたいだ。時代なんだろうけれど、この一線は守らないといけないと思った。ケチ臭いおっさんだと思われようとも(笑)。電車の中でFBで呟いたら、賛成意見多数。

戸田から豊洲へ移動して、「若手映画作家育成プロジェクト」NDJC2011へ。有望な若手映画作家をコンペして選ばれた5人の作品。今日は時間の関係で4作品を観た。結論から言えば、どの作品も楽しめたし、1000円とはいえお金をとれる作品であることは確か。カネ返せ!というのは一つもなかった。昔の新人監督の作品というのはどれも頭でっかちで「芸術もどき」ばっかりだったけれど、これらの作品は全然立ち位置が違う。でもこれはとても大切な事だと思う。

①「UTAGE」 やましたつぼみ監督。郊外のカフェバーのハルという中年の女性の話。輝かしい過去と挫折、若い才能への嫉妬、「老い」とか「醜さ」を敢て見せる。ちょっと中途半端な結末なのは30分では仕方ないかな。脚本が空回りしていて、もう少しかな。イマイチ言いたい事は伝わっていない感じがした。元美人の役柄の「つみきみほ」はよかった。それ以外の俳優は。。。。/

②「ここにいる」 七字幸久監督。本日の当番の舞台挨拶。45歳。現場で多くの経験を積んだ人なので安心して作品を楽しめた。蒼れいな、蒼あんなの美人一卵性双生児女優。この子達の美しさは良かったな。ストーリーは単純明快だし焼き直し感は否めないけれど、経験豊かな監督はこの30分という尺のなかで、この蒼姉妹の良さを十分引き出している。ストーリー的につまらない部分もあって、途中眠ってしまい、数分スジの繋がらない部分がある。てか、そういう作品。監督曰く、スリラー仕立てのコメディー(なの?)。蒼姉妹に期待。

③「パーマネント ランド」中江和仁監督。山奥の寒村に住む婆ちゃん。ダム建設で立ち退きを迫られている。息子と嫁、孫達。家族の歴史、絆とは。お約束のテーマだけれど、映像は美しいし淡々と流れる時間がいい。僕はこれは好きな作品。映画というのは「嘘の世界」なんだけれど、嘘の中にも真実がないと「観ちゃいられない」気持ちになる。この作品はうまくその部分をクリアしてテーマを描いていると思った。この監督は巧い。

④「虚々実実」 藤澤浩和監督。就職活動で「思わず嘘を言ってしまう」若者の話。脚本が秀逸。主役の尾上寛之はいい役者だなあ。観客をいつのまにか応援したくさせるオーラを持っている。それが彼の魅力。笑いをとる事に関しては一番ウケていた。藤澤監督は以前から知っていて、贔屓目で観てしまう事をさっ引いてもこの作品はダントツで面白かった。30分間という短いフレームでこれだけのストーリー性を持たせて、観客が「頑張れ!」って主人公に感情移入させる力量は素晴らしい。三谷さん、矢口さん、井筒さん、金子さんなど、今まで彼が関わってきた映画監督たちから学んだことを、ちゃんと活かしているのも素晴らしい。この作品を「名刺代わりに」どんどん新しい作品を作って欲しい。

30分という枠は「短編」という認識だったけれど、これが想像以上に長くてそのコンテンツの多さと深さに改めて驚いた夜。サッカー全日本男子ホームで負け試合/観なくて良かった〜と負け惜しみ。やれやれ。

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