December 31, 2012

大晦日

2012年がもうすぐ終わる。一言で言えば大波乱の年だった。年初はまさかこんな展開になるなんて思って思いなかった。今さらながら、人生というのは直前までどう展開するのかわからないものだ。4月に病気(膠芽腫)が発覚して以来、手術、放射線療法、抗がん剤と現在進行形で治療が進み、あっという間に年が明けようとしている。

これまで死をこれだけ意識して日々の生活を送った事はない。そして、高い事から低い事、大きな事から小さな事まで随分様々な事を考えた。自分の人生について、家族について、今まで出会ってきた多くの人たちについて。そして、いかに自分が自分だけで生きてこれたのではなく、人様に頼って生きてきたのかを痛感することになった。けっして人間は一人じゃ生きて行けないのだ。つまり御縁で生かされている。

生きて行く事は
有り難いです
ありがとうごさいます
忝く(かたじけなく)思います

そして、すべての御縁は繋がっている。全てを削ぎ落したあとには自分しか残ってない(たぶん)。もしかしたら「それ」さえも「空虚なもの」かもしれない。と、そこに思い至って、病気発覚以来悶々としていた僕は救われた気分になったと思う。

ということで、現在進行形で治療継続中で年は明けます。旧年中はいろいろと配慮、ご心配を賜り、有り難うございました。
新年が皆様にとりまして素晴らしい一年でありますように!

December 30, 2012

Hogly WoglyテキサスBBQ


http://www.yelp.com/b
-bar-b-que-van-nuys

思い出したらどうにももう一度食べたくて、悶絶しているBBQがある。それがLA時代のTayer's Hogly Wogly Texas BBQ。ちなみにHogly Woglyとは “豚さん&もぐもぐ” みたいな語感。

ここんちはケチャップのベースの秘伝BBQソースが最高。ヴァレーの自宅から結構遠かったけれど、当時は本当によく行ったなあ。日本人にも好評で多くの友人たちを紹介した。いい感じで焦がした香ばしいソースが完璧で巨大なスペアリブに噛りつく快感。お肉はホロホロで軟らかく、脂っこさがなくいくらでも食べられる。HeintzのBBQソースの数百倍(当社比>笑)の美味しさ。

ああ、懐かしい&恋しい。ネットでチェックしてみたら、現在でも同じ店で盛業中らしい。わあざわざ車を飛ばしてでも行く価値のあるB級グルメのひとつ。

December 27, 2012

バチ(罰)が当たるということ

どの文化圏でも「因果応報」という概念がある。悪いことすると必ず罰(ばち)が当たる。だから、人間はみんな正直に正しく生きていかねばならない、という道徳観。これはわかりやすい。僕らの子供の頃は、今の子供達よりもっと言われた気がする。「バチがあたるぞ!」と。だから子どもたちは(大人も)舌を抜かれたり地獄に落とされたりしないために、良い子でいる。そのペナルティが厳しいものであるほど、倫理的に「正しく」あるべきと求められるのだ。

面白いのは、良いことが起きすぎても調子に乗ってはだめだよという意味で罰が当たること。バランスが肝要なのだ。

さらに、その罰(バチ)が当たるのは本人とは限らない。大災害を例に出すまでもなく、トンデモなく悪いことが起こってしまった場合に、それは人間が「悪しき事をした」からだ、という考え方をすると(そんなことはないのに…)辛い。さらに別の事象に因果を求めると悪いことが起きたのは「人間どもが飲めや歌えやと呆けていたからだ…」みたいな、まったく事実とは離れた感情論になってしまうと、これも逃げ場のない言葉の遊びになってしまい、厳しい。

今回自分が病気してよく判ったことがある(患者になって本当に多くを学んだ)。人は身体的不調を「何かのため」という理由付けをしたいものなのだ。さらにはこの「不幸な状態」は科学的な事実とは離れたところでわりと説得力のある「何か」(例えば自分にバチが当たった)のせいにしたい。誰も傷つかず納得できるから。病気になってみんな自分を責めるのだ。誰のせいでもない自分のことなのに。その患者の寂寥感、孤独感、不安感…etcについて、僕は医療者としてどれだけわかってたのか?今考えてみると甚だ心もとない気持ちになる。現在進行形の患者の一人としても。

考察を続ける。

December 26, 2012

クラムチャウダー

クラムチャウダーが大好きだ。
プリプリしたアサリをたっぷり使った濃厚なチャウダー。けっして上品なスープではないけれど、最高の組み合わせだと思う。それが故に、たまにどうしようもなく食べたくなる。僕のマザーフードの一つだ。

このクラムチャウダーの美味しさにハマったのは、アメリカ1976年以降で、住んでいた当時は、尚子とどこに行ってもメニューを見つけると反射的にオーダーしてた。アウトドアで食べるのもおいしかった。一般的に日本のお店はサラサラしているけれど、アメリカは高カロリーで飲むというより食べる感じ。僕の経験則から、アメリカの外食でどこでも例外なく美味しいのがクラムチャウダーだった。

クラム・チャウダーは、大別してホワイトソース系のニューイングランド風とトマト味のマンハッタン風がある。マンハッタン風も気分を変えるには悪くないけれど、ボクは圧倒的にニューイングランドが好み。

大ぶりのボウルに盛られた熱々のスープ。無料でいっぱい貰えるクラッカーを4−5袋を手にとって、パンパンと掌に乗せて叩いて粉々にしたものを、ボウルにてんこ盛りに載せて頂く…この幸せ。わりとあっさりした軽めのスープのものもあるけれど、ボクはポタージュみたいな生クリームのいっぱい入った濃厚なのが好きで作る。

全米のSoup of the Dayの金曜日の定番がクラムチャウダーだ。
ああ懐かしいなあ。

関連して思いだしたこと。
ニュージーランドのシーフード・チャウダーもなかなか美味しい。これは具たくさんのスープで、アサリ、白身の魚、海老などなんでも入れてしまう。これも絶品。よくNZリンデールの牧場のアウトドアで食べた。

December 25, 2012

味噌ラーメンLove

今日の当院の一般入院食&職員の昼食は味噌ラーメン。強調して、もう一度書いておくけど「味噌ラーメン」だ。ボクは病院食であんなに美味しい味噌ラーメンは食べたことがなかっただけに、以前からそのオペレーションに感嘆していたのだ。

普通に茹でられる麺とはもちろん違うけれど、みんなに美味しいものを食べさせたいという心意気が詰まってる感じ。麺とスープは分けて病棟に上がってくるけど、十分シコシコ&スープもしっかり温かい。これは時間との勝負なはずだから、すごいことなのだ。さらに一緒に食べる職員の勤務時間内の食事時間がバラバラだから大変だと思う。でも美味しいんだから文句をいう人がいない。

地下2階で作って一番上の6階まで時間内にきっちり配膳。このオペレーションも素晴らしい。このように、しっかり温かくて、ちゃんと美味しい味噌ラーメンを病院で出すというのは並々ならぬ努力の賜だとボクは思ってる。スープの味付けやバランスだって難しいはずだし、「なんちゃってではなく」メンマもゆで卵も乗ってるだもん。

以前なら病院食は粗食でマズイ食事の典型だった病院の食事も最近はいろんな工夫があってそれも素晴らしいと思う。内容とヴァリエーションでは日本はダントツだと思う。

今日も美味しかったです。個人的には、毎週でもいいな(爆)。
(写真撮り忘れた)

December 24, 2012

クリスマス・イヴ2012

あわわわ。前回エントリーから時間が経ってしまった。とにかく飛ぶように時間が過ぎてゆく。病気発覚以来、時間感覚が少し変容した感じがある。上手く言えないけれど。何しろ一日中眠くて傾眠状態(苦痛はない)で、あっという間に一日が終わってしまう。今更焦るわけではないけれど、限られた時間をいかに有意義に過ごせるかは僕にとって切実な問題なのだ。

年末のクリスマス・ウィークエンド。今回のテモダール化学療法クールは12/18 ~ 22にて無事終了。強力な制吐剤イメンドが効いて嘔気もなく、食欲もまずまず大丈夫だった。倦怠感と眠気。以前の化学療法で苦労されていた患者さん知るだけに今の状況はありがたいと感じる。

午後からじょうじ君とさくちゃんが病院へ。FMサルースの新年番組の電話収録をする。香月さん&まなさん、楽しい時間をありがとう。病室で収録後は、遅めの昼ご飯を自由ヶ丘「梅華」。B級だけどみんな大満足。こういう「普通の時間」が嬉しい。

午後夕方から自宅に戻る。全員集合は、なんだか久しぶりだ。晩御飯は頂き物の最高に美味しい牛肉を堪能した。夜はみんなの話を聞きながら、リビングのマッサージチェアから一歩も動かず・・・凝りをほぐして夜更かし。24時過ぎに就寝。幸せ。

メリークリスマス!
リセットした感覚。さて、また書き始めるかな。

December 19, 2012

心優しい天使たち(2012)




クリスマス・キャンドルサービス, 2012
やっぱり泣いちまったじゃないか!

December 17, 2012

戦後最低の投票率に脱力した

そりゃナイでしょ…と多くの「良識のある人たち」は皆思ったはずだ。政権交代、未曾有の大災害、ほぼ永遠ともいえる原発の底なし地獄、円高不況、空洞化、中国、韓国関係・・・・こんどこそ日本が本当にマズイぞと、危機感をもってみんな臨んでいると、ボクは勝手に思っていた。

それが史上最低の投票率。いわゆる「腰砕け」なのだ。

自民党の復活は仕方ないだろう。あまりにも政権与党である民主党が不甲斐なかったから。除外否定条件でみていくと、第三党はどれもまだ信頼しきれないことと相俟って、結局は。。。(ココには書かない)という選択しかないのだ。

これはマズイ。日本の未来が危ない。
この事の重大さを解っていない若い世代がどれだけいるのか?
(今まで以上に)自分たちの未来に責任をもって意見を言える世代が最近は増えてきている印象なんだけれど、これは幻想だったのか?

昔の若者のノンポリというのは「どうせウチラ政治のことはわからないもんね。何を言っても聞いてくれないもんね。お偉い政治家たちと金持ちが勝手に決めていくんでしょ…」というひねくれたものだった。でも今回はさすがに違うだろうと大いなる期待をもって臨んだんだけどなあ…。

ネットの世界になって、昔以上に「民意」を伝えるノウハウがあるはずなのだ。穿った見方をすれば、本来もっと自己主張をするべきネット世代は、現行の選挙制度に対して斜に構えて完全に「醒めている」のか?

December 15, 2012

ユニフォーム回帰だって

アメリカの公立高校の多くが制服になりつつあるんだそうな。たしかに、最近放映されているテレビ番組をみると(例の歌番組とか)、たしかにユニフォームが多くなっている印象がある。

アメリカといえば「自由気ままな」服装の方が主流で、制服にみんな大反対するかと思いきや、生徒も学生もそっちがいいらしい。何より毎日何を着るか考える必要がなく楽だ!ということらしい。ふーむ、確かに。

興味深いのは、それによって生徒たちの服飾費が格段に下がったことと、それによるいじめがなくなったこと、服装の乱れが改善して生徒たちの成績が明らかに改善したことだそうな。これはなんとなくわかる。逆に名門私立校の校則が最近どんどん緩やかになっているのと対照的かもしれない。

December 14, 2012

生えてきた

抗癌剤の副作用としての脱毛。ほとんどの患者で診られる副作用だ。4月の手術直後から現在まで4週間毎に継続している僕の場合、5月中旬から始まりごっそり抜けて6月の一回目の転院ころまでにツルツル・ツルリン状態になった。もともと殆どスキンヘッドなので全然気にならない。てか、負け惜しみじゃなく(笑)スッキリして気分爽快だったのだが…。

で、9月ころから「あれっ?」と、実は気になっていたのだ。
それまでは3−4週に一回バリカンを使っていたのが、隔週くらいじゃないと中途半端な長さに髪が生えてくる。さらに、新しく生えてきた髪は以前より色が黒くて、心持ち太い気がする。

抗癌剤によって毛周期がシンクロしたのだな。今更スタイルを変えるつもりはないし(笑)、このままでいきましょう。


December 12, 2012

強盛大国

ミサイルを打ち上げた某国
実は到底ミサイルなんて打ち上げられ実力があるとは信じられず、驚いた。だって毎冬には餓死者がでるような世界の極貧国なのだ。どう考えても奇形的な構造だろう。民が飢餓と貧困に苦しみ一部の特権的階級のみがいい思いをしている。

不思議なのは、本人たちが意外にも不幸だと思っていないようにみえることだ。外の世界を知らない彼らからしてみればある意味それが当然だし。それにしても国民全体のマインドコントロールの気持ち悪さ。紹介される限りの映像では一糸乱れないマスゲームとかインタビューの受け答えとか。ぞぞぞぞぞ。今回のミサイル発射のニュースに狂喜乱舞する彼らを見ていると、知らないことのほうが幸せかもしれないとさえ思う。

まったくこの国はどこに向かうんだろう。

December 5, 2012

カンクローさん

毎朝のことだけれど、彼からは育ちの良さが滲み出ていた。
いつものバス停で出会うと、彼は必ず僕らにもニコッと笑って会釈をした。
彼は石切橋のバス停から九段の暁星に通っていて、僕ら(僕とじょうじ君)は、千代田区にある中学校に通学していたのだ。

僕らにとっては近くに住んでいる有名人の「カンクロー」だった。子供の頃から超有名人。その彼はいつもニコニコしていた。思えば子供の頃から大人の世界で生きてきた彼にとって、普通の振る舞いをできる僕ら(近所の子供達)は貴重な存在だったのかもしれない。

小日向の坂の途中にある波野家の「御殿」
いつも歌舞伎の稽古の音が流れていた。

僕らは友達というほど親しくはなく、会えば一言二言交わす程度の「知り合い」だったけれど、同世代の有名人として常に意識していたと思う。芸能界のニュースで彼のことを知れば、自分のことのようにも感じたものだ。その後、彼が歌舞伎界を牽引する重鎮になっていったことは知っていたが、歌舞伎役者として脂の乗り切った時期を過ごしていると、勝手に思い込んでいて、最近体調を崩していることは知らなかった。

中村勘三郎さん、12月5日午前2時33分、永眠。享年57歳。
ご冥福をお祈りします。

December 4, 2012

良い耳持ってますか?

ヘッドフォンをアマゾンで購入した。ソニーの1000円くらいのもの。以前使っていのが断線してしまったのだ。前のはソニーのモニター用のインナーイアで15000円以上したと思う。たしかに値段だけの分、音質が全然違ったし、解像度というか音場の広がりも違っていた…とは思うんだけれど、ささっと取り替えて目を閉じてブラインドで聴いてみると、いい音なのだ。とたんに自信がなくなってしまった。

つまり1000円の今回のものも「それなりに」素晴らしいのだ。これが僕の耳の能力にとっては、必要にして十分な機能のある機器なのだ。ぶっちゃけた話、15000円位上した最上級のインナーイア型ヘッドフォンと汎用型のi-pad用も「違いがわからない」ということになる。器械の差が、耳の差を超えることはないだろう。少なくとも僕の耳では。

あ、ちがうな。明らかな違いはある。でもその価値に気づくことができるかどうか?というのは感性の問題なのだ。感覚は比べることはできないのだ。

おなじ文脈で、ワイン談義も同様だ。自らの知識と経験のなさ(さらには金の有無<笑)もあって、もともとワインに薀蓄を傾ける人たちをシニカルに見てしまうのが僕の癖だけれど、人生のこの時期になると新たに「見えてくるもの」がある。
四の五の言うより、美味しければいいではないか。

December 3, 2012

巨大バーガーの正しいお作法(続)

先日書いた自由ヶ丘・サンバーガー。こーめい先生のオーダーした巨大バーガーでインスパイアされて、アメリカのバーガー事情(ってほどでもない:笑)について、追記しておく。


写真は、僕と尚子がアメリカ時代にハマったPasadena のWolfe Burger。ここんちのハンバーガーは美味しかった。BBQで食べるレベルとはまた違ってある意味洗練された美味しさ。これが絶妙の焼き加減で出てくる食べごたえのあるパテ、柔らかく香ばしいバンズ、好きな組み合わせでのせられるBLT、トッピングも中に入れるピクルスも様々。…高めだけれどいつも大満足だった。ちなみに、僕らの行っていた時代からすでに20年が経過し、再訪をはたせず最近閉店したとのこと。残念。

さて本題。アメリカのこの巨大なハンバーガーをどうやって形が崩れるのを最小限にしてうく食べることができるか?慣れていない日本人が食べると、大体グチャクチャになってしまい、最後の方は悲惨なことになる。秘書の女性に聞いてみたら…。

ナイフとフォークで切って食べるのは勿論可。でも当然美味しくない。かぶりついてこそハンバーガーだ。ということで、コツは…

齧りつく前にバンズをぎゅーぎゅー上から圧迫するそうな。ルーズだと決壊しやすい。それからできるだけ「水平を保ちつつ」かぶりつくとうまくいく。これはその他の巨大サブマリンなどにも応用できる。うーむ、なるほど!
僕も確かにそれ以来あまり失敗はない。

December 2, 2012

Yummy!



自由ヶ丘サンバーガー 近江牛のハンバーガー。彦根が本店らしい。さすがのクオリティで満足。写真はこーめい先生のオーダーしたThe World Burger。クオーターパウンドの肉が2枚分、バンズ2枚、厚切りベーコン、チーズ、アボカド、卵焼き、オニオン、レタス、トマト。僕の食べたのが普通のアメリカのデフォルトのサイズだとすれば(それでも日本の標準からいえばずいぶん大きい)スーパーサイズは3倍くらいか。大きいだけでなく、もちろん十分おいしい。こーめい先生のグルマンの面目躍如。