October 2, 2010
Messege In A Bottle
午後はじょうじ君と神保町。秋のハックル活動のモロモロを打ち合わせる。いつものように「神田餃子館」>「ランチョン」という流れ。今度のCDとライブとその構成などなど、暮れに向けていろいろと忙しくなりそう。ワインで今年初のカキフライが美味しかった。
夜はかみさんが借りていたレンタルDVD、"Messege In A Bottle" 。Nicholas Sparksの小説は全米でベストセラーになった作品。1999年の作品だけど公開当時は全然知らなかったのが不思議。あ、でもな、このテの作品というのは今の時代わりとさらりと流れてしまうんだろうな。ストーリーは、静かできれいで抑えてあって、美しい海岸線でおこる大人の恋は哀しく切ない。泣かせのポイントが鏤められている。それにまんまとハマってしまった。たぶん女性の観客にはタマラナく切ない気持ちにさせるだろうし、男性の観客にはふかーい「ため息」をつかせるだろう。しみじみ心に沁みてくるストーリー。映像も美しい。「失った愛する人を思い続ける男」ケヴィン・コスナーと「知的で仕事は出来るんだけれど、寂しいシングルマザー」ロビン・ライト・ペンの大人の恋。美しい女優さん(ショーン・ペンと2010年8月に離婚したばかりで、Pennの芸名は今は取っている。「フォレストガンプ」に出ていた)。男が(たぶん女性の理想とするように)男らしく、女が(たぶん感情移入できるように魅力的で)女らしい。そして男女ともフリーな大人で「不倫ドロドロ劇」とは一線を画している。その辺も大多数の保守的な「ふつうのアメリカ人」や「ふつうの日本人」にとって、共感を持って受け入れられる設定。
で、この二人、なかなかシない。盛り上がって、盛り下がって、また盛り上がって・・・心のこもった熱いキスはするけど、なかなかヤラない(笑)。この展開が「大人」な訳で、特に女性ウケするところなんだろうな、たぶん。描き方によっては、かなりギトギトの脂っこい作品になっちゃうのに、この映画は切なく爽やかな感じがするのは、そんな展開だからだろう。
観始めた当初からなんとなく悲劇的な結末は想像できる(少なくともハッピーエンドにはならないだろう、という気にさせる)んだけれど、そこに至るまでのストーリーの伏線が「きれい」なのだ。分析的にクールに書いちゃえば(僕の悪い癖だけど>笑)。「海岸」「船」「港」「コンパス」ともちろん「手紙」のアナログなものが、センチメンタルなストーリーのメタファーになってる。父親役のポール・ニューマンのジジイの演技が渋い。野卑で温かいオヤジを素晴らしい演技で見せてくれる。彼の台詞もいい。映画の中でその存在自体がadmireされる希有な俳優。そういえば公開当時はそれが一番話題になってたかもしれない。
ということで、こういう拾い物みたいな素晴らしい映画作品ってまだまだあるんだろうな。恥ずかしげもなく、3回泣いた。最後の手紙のシーンは「滝泣き」。☆☆☆☆