学会は午前中で切り上げて、午後から近鉄特急に乗って伊勢に行くことにした。せっかく名古屋まで来たのだから伊勢神宮にお参りしたくなったのだ。伊勢方面は2006年の夏休み一人旅以来。近鉄特急のオレンジ色の電車が子供の頃から好き。昼ご飯は名古屋名物「味噌カツサンド」。
「五十鈴川」で下車してタクシーで内宮へ。雲は低いが雨が上がっていてラッキー。五十鈴川にかかる橋の檜の香り。背筋が伸びる感じがする。参道、静謐な森に点在する社。この場所を聖地と定めた古代の人たちのインスピレーションに感嘆する。ただの観光地とちがう何かがある気がする。あくまでも僕にとって、だけれど。巨大な神木、苔むした社、自然と調和したデザインは日本人のDNAに刷り込まれた美意識。だから、あの場所に行くとほっとするのかもしれない。悠久の時空と自然の中で「意味をもった」デザインの神秘性。ただ「そこにある木立」ひっそりと佇む苔むした石。本殿で天照大神に家内安全を祈念し、ついでに今日のサッカー全日本のオランダ戦の善戦も祈願しておいた(笑)。2時間以上かけてゆっくりと散策しパワーをもらった感じ。
参拝を終わってから、御清めにお約束のおかげ横丁へ。鈴木水産で、蚫、松坂牛の炙り、鯛の三貫(1000円)、岩牡蠣、伊勢エビのみそ汁。伊勢志摩の美味しいもの満載で美味しく、期待以上で満足。途中で雨が降り始めたので早めに散策を切り上げて駅に戻ることにした。
名古屋に向かう近鉄特急の中で外の景色を見ていたら、唐突に思った。そうだ、京都に行こう!
京都の妙心寺涅槃堂を訪れたくなった。臨済宗妙心寺派の総本山。車内で携帯からネットに繋いで、楽天でホテルの検索をして予約。
名古屋から新幹線で京都に向かう。自分で決めておきながら(笑)車内で不思議な感覚。京都が呼んでいる・・・みたいなシズル感というか。
ネットで予約したのは京都ガーデンパレスというこじんまりしたホテル。広大な京都御所に面した烏丸通りの静かな場所。チェックインしてから試合開始までに食事をするべく、周囲を散策。いわゆる商店街とか繁華街が全然ない、すごく京都らしいロケーション。19時の時点で街路がすでに薄暗くて人が歩いていないくらい。やっと見つけたコンビニで買い物をしてから歩いていたら、目についたのが「喫茶 九里九馬(くりくま)」。京都の町家を改造したレトロなカフェ。試合開始までにホテルに帰りたかったので、「ま、いっか」的に入った。中に入ってみたら意外にも客は外国人率多し。レトロな店内の雰囲気は「いかにも」って感じなんだけれど、全然偉ぶったところはなくて、ゆるゆるな感じ。お店はたぶんファミリービジネスで切り盛りしていて、おじちゃん&おばちゃん&アルバイトの女の子。喫茶店というもののメニューをみると居酒屋でもあり定食屋でもあり、コーヒーだけじゃなくて、うどん、そば、お寿司、定食など盛りだくさん。客層も観光客はほとんどいなくて、地元の人たちがほとんどって印象の不思議なお店。豚生姜焼き定食(850円)&ビール。なんで京都で生姜焼きなの(笑)。でも、つまり、そんな感じのお店なのだ。誰かのお宅のごく普通の夕食を食べてる親密感。不思議に美味しかった。ホテルは清潔だし必要にして十分な設備。交通のアクセスがちょっと悪いけれどインターネットの接続はただで朝食付きで10000円しないとすれば結構いいかも。
さて、オランダ戦。優勝を狙える実力のオランダ相手で1:0なら、ベストに近い結果。このチーム、開催前の雰囲気や評判が最悪だったけれど、試合を進める毎にどんどん気合いが高まって、試合の内容が良くなってきている気がする。明朝の試合結果も大きく影響するだろうけど、25日のデンマーク戦がますます楽しみ。もしかしたら・・・という期待を少しは持てる気がしてきた。