たばこを止めてから数年経つ。みっともないのであまり大ぴらにカミングアウトできない話ではあるけれど。
たばこを吸い始めたのは高校2年、ロンドンのケンジントンのホテルの部屋だった。面白半分から常用するまでには時間はかからなかった。ヘビースモーカーだったオヤジの影響もあってオトナになればたばこを吸うもんだと信じていた。喫煙が自分や家族の健康にいいはずがないのは自明だし、その後も止める理由はいくらでもあったけれど、その後50歳くらいまではタバコを嗜んでいた。何よりタバコの煙を燻らす時間を愛していたし、あの一服のあとの「区切り感」が快感(依存)だった。
完全なニコチン依存症である。恥ずかしい話だ。海外での生活中は殆ど吸わない時期もあったし、仕事場(病院)では吸わなかったし、いつでも辞められると自分では思っていた。どうして止めることにしたかといえば、自分のためである。あ、家族からは随分前に三行半をつきつけられていたこともあるな。ベランダ蛍族。そんなこんなで、たばこを止めるメリットとデメリットを量ったのだ。ジムと週3−4回の水泳を初めて、あ、これは止めたほうが気持ちいいぞ、と。禁煙の圧勝(笑)。確信犯的喫煙歴うん十年だったわけだから、今更ながらまったくトホホの話だ。
結論を書くまでもなく、たばこを止めるほうがいいに決まっているし、タバコからの呪縛(呪い)から離れられて嬉しいのだけれど、最近になって自分の死を意識するようになって、少し考えが変わった。健康に生活するためにはたばこは吸わない方がいい。あたりまえだ。
でも、「健康的ではあるけれど不幸せに生きていること」と「不健康ではあるけれど幸せに生きていること」の差はどこあるんだろう?とも思う。人生は有限なのだ。
くわえタバコで海に出て一日を過ごし、漁から帰りビールとワイン、そしてシエスタ。夕方からは仲間と家族で海辺で歌を歌い踊る…
http://longtailworld.blogspot.jp/2009/04/enough.html?spref=fb
COPDも喘息も心筋梗塞も高血圧も、ソレがどうした?そんな人生くそくらえ!の価値観。この寓話のアメリカ人のビジネスマンに僕らはいつの間にかなっているんじゃないかと。あの未熟で若かった(不健康な)日々を後悔することは全くない。
あれ?何を書きたかったんだろう?
そうだ。タバコは健康に良くない。若い人は早く止めた方がいい(くどい)。