助けあいジャパン

September 22, 2011

NZでは食器洗いはススがない。

ちょっと前になるけれど、電車の中で隣に坐った女の子の会話。一人の子がニュージーランドの家庭でホームステイしたらしい。僕的にも懐かしい話題だった。ホームステイ先の食事の後の食器洗いをするのはお約束。そこで彼女はびっくりしたのだと。

ホームパーティの時には、食器洗いは男の仕事。大体のNZの家庭の台所のシンクは2槽になっていて、その一方にはトンでもなく熱いお湯(とても手が入れられない)を入れる。そのために大きな温水器がキッチンにあるくらいだ。そこにまず食器を落とし込む。彼らは、外でやるBBQの時にもこの方法はよく使う。脂っこい料理の多い欧米では非常に有効で、食器の表面から油脂を洗い流す効果がある。その熱湯に約10分間くらいソークしておいてから、次に栓を抜いて、洗剤(昔は石鹸だったらしい)をつけた泡だらけのスポンジで食器をこすり洗いをする。その作業をシンクに並んで、男同士の話をしながら流れ作業で行うわけだ。

で、次のステップとして日本では流水で洗剤を洗い流す(リンスする)のだけれど、彼らはリンスしないで、泡だらけの食器をどんどん並べて水気を落とし、そのまま順番に布(あまりキレイじゃない使い古しの布!)で拭いていく。僕も初めのうちはそのお宅特別な流儀なんだろうなと思っていたのだけれど、実はこれが一般的で家庭でも職場でも学校でも同じことをしている。日本人の感覚では食器に付いた洗剤を口にするようで身体に悪そう!(という特に根拠のナイ気持ち悪さ)があるのだが、全然平気。もともとはイギリスの習慣らしいので、たぶんキーウィーだけでなくオージーでも一緒なんだろう。昨年イギリス人の家庭にホームステイしていた我が家の末娘さとちゃんも随分驚いたみたいだ。

ディッシュウォッシャーの場合には、くだんの熱湯ソークのあとにディッシュウォッシャーに放り込むだけだけれど、NZではかなり立派なお宅(のキッチン)でもディッスウォッシャーがあるのは稀で、多くのお宅で手洗いをしていた印象がある。これは多分、家庭で代々伝わる旧い食器を日常的に大切に使っているので手洗いしかできないんだろう。とはいえ、我が家がNZで生活していたのは15年以上前だから事情は変わっているんだろうね、今は。

電車の女の子の場合にはホストファミリーに「そんなに気になるのなら、あなたの好きにすれば」って言われて滞在中はすべて彼女が食器洗いをすことになった、というエピソード話だった。以前にココでも書いた事があるけれど、清潔と不潔の感覚と生活習慣というのは、国によってずいぶん違う。
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