助けあいジャパン

June 9, 2011

「アジャストメント」な夕方


研究日。昨夜は東京ルール当番日で当直。外来診察室の診療ベッドの上で3時間くらい仮眠しただけなので、一日中体中が痛かった。ま、でも眠れただけでもヨシとしよう。当直明けはフィジカルにはもちろん疲労感があるけれどメンタルにはハイテンションなことが多い。50歳過ぎてからは若い頃と違って、この徹夜明けハイテンションが持続しない(笑)。

午後からは施設在宅。ウルトラ・スーパー・エクセレント医療秘書&ナースのあいちゃんとしょうこちゃんに助けてもらい(というか、彼らの言われる通りの段取りで動いただけ)スムーズに診察。そろそろ納涼ビールパーティを計画しよう!ということになった。

当直明けで疲れていたけれど、研究日夕方のお楽しみルーティンで南町田の109シネマへ。今日は「アジャストメント」(原題は The Adjustment Bureau)。ボーンのマット・デーモンだしネットで観た予告編の作りがもろにアクション系だったので、「(訳のわからない強大な組織的な)陰謀 vs 独り闘うマット・デーモン(役者)」というパターン(制作者側から言えば成功体験)だと思い込んでいたのだが、全然違った。これ、かなり真剣勝負のラブストーリー。そっち方面は(笑)全然期待していなかったけれど、そこそこ楽しめる展開で☆☆1/2。出した入場料分は楽しませてもらった感じ。

原題のThe Adjustment Bureau は「公的機関」のニュアンス。あえて訳せば「運命調整公社」。世界の時空と人の運命を自在に操作・調節し、世の中の調和とバランスを監視する組織。つまり「神様」のシステム。フィクションの世界では目新しいものではないけれど、この映画ではそのシステムが全知全能のスーパーマンじゃなくて、妙に生々しくて人間臭いおっさん達なのだ。ストーリーは欧米的な運命論。旧来の因果律的な価値観とか人生観とかベースにあるんだけれど、映画の脚本に落とし込む段階で、あまり真剣に考えていないんじゃないか?と思わせるような「ツッコミどころ」は満載。ネタバレするので書かないけれど、あのエンディングでは映画的に「どんでん返しになってない」よなあ・・・。ちなみに、原作はフィリップK.ディックというアメリカの作家のペイパーバックスの短編("AdjustmentTeam"、読んでないけれどこの展開のテンポは「いかにも」な感じ)。蛇足ながら、この作家は、あのハリソン・フォードの「ブレードランナー」の原作者らしい。へーー。とまれ、この映画はマット・デーモンの役者としての魅力で、最後まで押し切っている感じ。苦労人でたたき上げの民主党下院議員(でもあり上院議員候補)の役は、マッチョで素朴そうな彼にはぴったりだろう。相手役はエミリー・ブラント。美しい女優で、有名な映画によく出ている人なんだけれど、僕的にはごくふつーのアメリカ人のねーちゃんという感じ。もっと色気のある話にすればよかったのに中途半端にハードボイルドにするもんだから欲求不満感を感じるのかも。つーか、このプロットだったらコテコテのラブ・コメディーがぴったりじゃん。あ、でもそれじゃ当たり前すぎて面白くないか(笑)
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