アマゾンから届いた「海自レシピ お艦(かん)の味」(小学館)。ぐふふふ、この本は面白い。船に一度乗ったら陸に上がるまで、厳しい毎日の兵隊さんたちにとって、食事は唯一の癒しであり最大の楽しみだろう。海軍の伝統で明治の時代から食事に関してはこだわりがあったそうな。今でも海上自衛隊のすべての艦艇には、それぞれ専属の料理担当の自衛官が乗っていて、明治の時代から引き継いだ伝統をもとに、彼らが開発した独自のレシピで進化した「門外不出」のもの(曰く、国防機密<笑)らしい。それも艦艇ごと、給養員長(現場のチーフ)毎に独自のレシピがあるのが面白い。艦艇内の狭い保管庫にある限られた材料で、大食漢の自衛官達の満足する料理を、一日ひとり1000円(!)でいかに美味しくつくるか?という工夫って、僕の想像を越えたご苦労があるんだろう。以前読んだ
「南極料理人」の西村淳さんの本に一脈通じるものがある。
「海軍カレー」(すべての艦艇で毎週金曜日の昼ご飯はカレー)で有名なカレーは彼らの一番のこだわりメニューで、本書では1/3はそのレシピについて書いてある。どれも「むふふ、うまそー、これは作ってみたい!」と思わせるものばかりで、その写真をみているだけで楽しい。さらにその艦艇の写真とスペックも載っていて、これも「働く自動車」とか「働く船」の大好きな僕の好みなのだ。子供の頃に無中になった「図鑑」の楽しさなんだな。
この本はB級料理好きにはタマラナイおすすめ本、☆☆☆☆。