July 7, 2013

最強のふたり "Intouchable"



身障者を卑下しているような若者ドリス(オマール・シー)が首から下の神経が麻痺した億万長者の障害者フィリップ(フランソワ・クリュゼ)の世話役。

原題「Intouchables」は「触れられない者同士」と訳せばいいのでしょうか、(フランス語の辞書では複数形で「(インドの)不可触民」とも出てきます)肌の色、教養、貧富、あらゆる側面からしてあまりにも差のある二人が健常者と障害者と言う壁をも崩し、友情以上の関係を築き上げて行くと言うストーリー。

http://yaplog.jp/nontage_bonbon/archive/2363



以前レミゼを観に行った時に、予告編が気になっていた映画。今回、上妻先生のブログで思い出した映画。「最強のふたり(邦題:Intouchable)」。i-tuneで病室で観られるのが有り難い。

さてこの映画、解りやすいしストーリーにメリハリがあるので、観終わった後にじんわりと、やさしく爽やかな気持ちになる。全世界でヒットしたのは当然だろう。もっと「お涙頂戴」的な部分があるのかと思っていたら、全然なくてちょっと意外だった。

この映画の本質は、このタイトルのintouchableだろう。
本質を点いているタイトルだと思う。

どう対応し触れ合ったらいいのか?解らない不安感と、
身障者への偏見と差別という意味での「触ってはいけないもの」。
触れられない同士。つまり「解りあう事ができない」
調べてみると、インドの「不可侵民」の意味もあるようだ。
否定語で、さまざまな暗喩。

この映画の中で、日本と違うなあと思ったのは
「本音」語り合っていること(例えば男同士のオープンな猥談)。
マリワナを吸ったり、プロの女性のサービスに目をつむったり。
自己責任でそれもいいではないか?という「大人の社会」の
熟れた世界も垣間見せてくれる。
こういう「悪い大人」を許容するのもある意味
社会の懐の深さなんだろうな。

つまり「みんな本音で話そうよ」ってことでしょ。

身障者と健常者の関係性だけでなく、
人間は様々な関係(つまり、まさにご縁)の
な中で生きるている。

それと、この映画の最後のシーンで「新しい恋の予感」があるもいい。
いかにもフランス映画。

いい映画だった。