December 22, 2011

極私的な今年の総括としての東北行き

今年もあと10日足らずで終わる。2011年という年は忘れられない年になった。1945年の太平洋戦争の敗戦を境とした「戦前戦後」という大きなパラダイムシフトが、近代日本の一つの区切りだとすれば、今年の311を境に日本の社会は「震災前、震災後」で確実に別のステージに移ったと思う。 最近15年の日本の経済の衰退と日本社会のシステムの制度疲労についてはすべての日本人が「同時代的な心象」として「なんだヘンだなー、やばいなー、このままでは・・・」と感じていたと思う。そこにあの巨大で破滅的な大震災と原発事故が起こった。まだまだ復興までには長い道のりが待っている。 311からの恐怖心と虚無感を皆で共有して、日本社会は確実に変わったと思う。それが日本人の「絆」という人もいるだろうし、「新しいシステム」という人もいるだろう。内側に向かうナショナリズムもあるかもしれないし、個人的な宗教的体験として自らの人生を考えた人も居るだろう。僕自身はどのように変わったのかはまだ総括できていないのだけれど。 個人的体験としては、4月に医療支援で現地に赴きやっと復旧の始まった被災地の姿を見たし、そこで微力ながら医療支援をおこなったことは大きな事だった。人生の折り返し地点をとうに過ぎて「もう世の中のほとんどの事がらがわかったような顔をして生きている」くせに(笑)、実際の自分がいかに小さな存在なのかも感じた年だった。 また、助け合いジャパンの活動を通して多くの素晴らしい人たちと出会えたし、SNSを通して世代や立場や職業など「個人の属性」を超えた人たちと、広くフラットな関係を作る事が出来たのも今年の大きな出来事だった。 ということで、明日からもう一度被災地を訪れてみようと思う。 今年を締めくくるためにもどうしてもやっておかなくてはならない事のような気がするから。