助けあいジャパン

September 1, 2010

Share the Responsibility

月一回の「東京★ルール(★は検索回避のため追加)」の当番日にて当直中。「東京★ルール」というのは、都内の救急対応の医療施設がブロックごとに「地域救急医療センター」を設定して、救急隊の「選定困難」なケースに対して対応するシステムだ。様々な理由で救急医療施設が受け入れを断ったケースを当番の日には「無条件で受け入れる」というルール。救急受け入れ先の「選定困難」ということは実際にはどういうことかは、現場を少しでも知る人ならすぐに理解できるが、一般にはあまり理解してもらえないかもしれない。マスコミは時に「たらい回し」みたいな悪意を込めた書き方をするけれど、どこの現場でも地域の救急医療を支えるべく毎日必死の努力をしているのだ。にもかかわらず、それが「できない」ということは、「それなりにリスキーなケース」ということになる。多くは薬物中毒、精神疾患、犯罪がらみなどで、医学的に問題があるというより社会的な背景に問題がある。とはいえ、誰かが対応しなくてはならない。その大変なケースを「皆でシェアして支えましょう」というシステムなのだ。欧米の病院でよく使われるターム:Share the responsibility!

稼働するまでには、エゴやワガママがぶつかり合って大議論だったが、新しいシステムを立ち上げる議論をしているのに「できない理由」ばかり主張して何もしようとしない連中には本当にアタマに来たことについて、以前ココにも書いた。が、とにもかくにもシステムは立ち上がって今日に至っている。今日もスタッフの必死の頑張りに支えてもらって、今夜も今のところはうまくいっているので、ほっと一息ついたところ。それにしても、救急現場というのは今も昔も過酷だ。当直をしている僕自身、仮眠はとれるかもしれないけれど(希望的観測)、今日の朝8時から明日の午後3時すぎまで連続31時間勤務だし(あくまでも予定)。患者さんの汚物にまみれたり、怒声と悪態に耐えながら、必死に頑張る現場のスタッフの苦労とストレスについて、十分に報われるようなシステムにまでにするには、まだまだ道は遠いというのが実感。それを主張して少しでも良い方向に持って行くが、医師会の担当理事としての僕の仕事なのだ。微力ながら。

さ、まだ明日の朝まで頑張らねば。
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