June 29, 2010

監督という試練

さて、今夜は日本vsパラグアイの一戦。朝から気分的には臨戦態勢で昂ってる(笑)。開催前はなんだか絶望的な雰囲気が漂っていた日本代表チームも、予想外の素晴らしい活躍で、あれよあれよという間に日本中はWカップで盛り上がってしまった。ふむ、そーだよなー、世間の空気というのは、こんな具合にかくも簡単に右から左へ、後ろから前へ(笑)動いてしまうものなのだ。

小さいながらも一つの組織の長として仕事をしている立場から、渦中の人である岡田武史監督を見ると、彼の今までの苦悩と今の姿にどうしても感情移入してしまう。Bussiness Media「誠」の岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とはを、今日の昼休みに今夜の決戦に思いを馳せながら再読してみた。もちろん彼の立場と比べるまでもなく僕の立場は全然違うのだけれど、勉強になる&参考にすべき考え方、至言がたくさん詰まっていて改めて感動した。Wカップ開催前にこのことを話しているんだから、さらに感慨深い。つまり、彼は「筋金入り」の監督なんだな。素晴らしい。

==(以下、引用)==
「開き直り」という表現は悪いかもしれないですが、これはある意味どんな仕事でもトップやリーダーになったら、一番大事な要素かもしれないですね。「監督の仕事って何だ?」といったら1つだけなんです。「決断する」ということなんです。
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当たる確率を高くする方法があるんです。それは何かというと、「決断をする時に、完全に素の自分になれるかどうか」ということです。「こんなことをやったら、あいつふてくされるかな」「こんなことやったら、また叩かれるかな」「こんなこと言ったらどうなるかな」、そんな余計なことを考えていたら大体勘は当たりません。本当に開き直って素の自分になって決断できるかどうか、これがポイントなんです。
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スランプの泥沼にあえいでいる奴らが10人いるとするじゃないですか。泥沼であえいでいる時に早く手を出してバッと引き上げても、手を離したら大体もう1回落ちるんですよ。そして2回目に落ちた時というのは、中々上がってこない。これ放っておくと、10人いたら5人はそのまま沈みます。でも、5人は必死になってもがき苦しんで、自分の力で淵まではい上がってくる。その時に手を貸した奴は残ります。
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「途中にいるから中途半端、底まで落ちたら地に足がつく」と書いてあったんです。その通りなんですよ。苦しい、もうどうしようもない、もう手がない。でも、それがどん底までいってしまうと足がつくんですよ。無心になんか中々なれないけど、そういうどん底のところで苦しみながらも耐えたらスイッチが入ってくるということです。
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僕はいろんな決断をする時に、「明日死ぬとしたら今どうするだろう」と自分を追い込みます。人生というのは「おぎゃー」と生まれてから、必ず来る死というものに一歩一歩進んでいくだけなんです。僕なんかはもう半分以上進んでいるんですけどね。誰もが必ず死ぬんです。この講演の帰りにポロッと死ぬ人もいるかもしれない。その間をいかに生きるかなんですよ。何もなく、のほほんと生きていくのも人生です。「生きているだけですばらしいこと」とよく言います、その通りです。でも、できるならどんな小さなことでもいいから、チャレンジをしてもらいたい。頭でごちゃごちゃ考える前に踏み出してみる。少々壁や何かがあろうが、そんなもの関係ない。必ず乗り越えられる。壁というのは邪魔をするためにあるのではない。
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修羅場を乗り越えて肚を括った監督の采配を信じよう!
それに応える選手達も信じよう!

ああ、あと5時間ちょっとかあ・・・