5週間、僕の病院で臨床研修をしたDrew君も今週が最後の週。初めはカルチャーショックや言葉の壁で戸惑いがあったみたいだけれど、人懐っこいキャラクターで病院のスタッフにも好かれて、十分日本での生活をエンジョイしてくれたみたいだ。まさに「うるるん滞在記」みたいな日々。僕の毎日の過酷な質問と宿題の嵐(笑)にもよく耐えてくれ、真面目に勉強してくれた。日本語ができない環境のなかでサバイヴしてゆくためには、「好奇心と柔軟性」「問題解決能力」と「コミュニケーション能力」が必須。あと、基本的には何とかなるかな?という「楽観主義」かな。
海外から来る医学生を受け入れて彼で8人目だけれど、どの子もそれなりの「人懐っこい」キャラと「しぶとく生き残る強さ」みたいなものを持っているみたいだ。皆、学ぶ事に対して貪欲で医師としてのキャリアアップに前向き。その意味では日本の医学生は皆頭の回転はいいんだけれど、大人しくて「いい子ちゃん」過ぎる気がする。ま、それは今に始まった事じゃないけど・・・。クイーンズランド大学(オーストラリア)医学部への今回の研修レポートの彼のエッセイを読ませてもらって、なかなか日本の医療の本質(長所と短所)をよく見てくれている力作だったので、褒めて上げたらすごく嬉しそうだった。
今回の研修中はあまり食事に連れて行ってあげなかったので、午前中の病棟のティーチング・ラウンドを終了後、昼から目黒雅叙園へ。雅叙園の"very Japanese"で"exotic"な雰囲気を,彼ら外国人はすごく喜ぶのだ。雅叙園のギンギラ豪華絢爛な「日本間」に感激させ、あの有名なトイレで「連れション」してぶっ飛び、中華の「旬遊記」のランチ(ここんちは味も素晴らしいし値段がリーズナブルだ!)を食べながらいろんな話をした。大学を卒業してから医学部に入学するまでに働いて苦労したこと。アメリカ人としてオーストラリアで医学を学ぶ事の大変さ、これからアメリカに帰って卒後トレーニングのプログラムに入る事の困難さ、などなど。国籍も世代も関係なく、真面目に人生の夢に取り組んでいる若者には、出来るだけサポートしてあげたくなる。それが、若い頃僕がアメリカやニュージーランドのボス達から受けた、心のこもった「指導」への僕の出来る「恩返し」だと思うのだ。Give and Takeというんじゃなくて、僭越ながら受け継いだトーチの灯火を次の世代に渡すみたいな感じ・・・というか。
by the way,
食事を終わり、アトリウムに出たら日本庭園の所で、何かの記念写真なんだろうか、振り袖姿の女性の撮影していた。「ぶ」とまでは言わないけれど、特別「美人」とは(残念ながら>笑)いえない、ごく普通の日本人の女の子。ところが、彼はえらく興奮し感激している。
「なあ、Drew, 彼女っておめーの好みか?」
「うううっ、はい、僕のタイプです!」
「そっかなー?どこにでもいるような、ふつうのちょっと太めのねーちゃん、じゃねーか!」
「日本の女性、美しいです。着物も最高のコスチュームだし」
「まあな、おめーら外国人の男にとっちゃ、いいもんなのかもな。オレなんかチャイナドレスのほうがいいけど(爆)」
「彼女はゴージャスでビューティフル!です。ああ、なんて素晴らしいんだろう!」
「・・・(苦笑)・・・(勝手にしなさい!>爆)」
彼らアメリカ人の「日本人女性の美しさ」の基準ってのは、我々日本人男性の基準というか感覚とは、ちょっと(かなり)違うんだよね。すごく日本的な(アジア的な)顔立ちの人の方がインパクトがあるみたいで。まあ、その逆のこともあるわけで、結局は蓼食う虫も・・・って話なんだけれど(爆)。