最近の通勤のルーティンで、電車の中で今日の産経新聞Net-Viewをi-touchで読んでいて、思わず「ほーーーっ、へえーーー!」と声が出そうになった。
日本の春の代名詞といえる桜「ソメイヨシノ」が、実は一本の木であるという事実。国内に数百万本あるといわれるソメイヨシノは、そのすべてが同一の遺伝情報をもつ「クローン植物」であるというのだ。ソメイヨシノ同士の交配は自家不和同性という性質のため実が出来ない、つまり、増殖には挿し木や接ぎ木を使用するしかない。つまり、すごくプリミティヴな意味でのクローンなわけだ。世界中のソメイヨシノは、生物学的には親兄弟ではなく「一本の木」であるということを、僕は寡聞にして知らなかった。
これほど特異で人気のある桜とはいえ、その起源は諸説ある。さくちゃん別宅のある駒込「染井村」の植木職人が、オオシマザクラとエドヒガンを交配して作ったものらしい。江戸文化の遺産の「染井吉野」が、明治の文明開化の波に乗って全国に移植され、日本人の精神性に大きな影響を与えてきた。つまり、染井村の職人は、ある時ものすごい発見をしたわけだ。今となってはどこの誰だかわからない・・・ってのもドラマ。これは、すでにどこかの誰かが絶対に小説を書いているだろうな。これも調べる価値がある。
さらに思考を展開すると、世界中にクローン桜があるということは、同一の遺伝情報を持っている生物個体クローンを世界中の様々な環境に配置している事なんだな。つまり、100年以上かけて日本はバイオテクノロジーの壮大な実験の種を蒔いているってことなのだね。地球温暖化はいうまでもなく、変わりゆく環境の生物に及ぼす影響を、定点観測しうるマテリアルがすでに世界中の都市に存在するって、素晴らしいじゃないか!これも、今たまたまひらめいた事で、すでにかなりの研究がなされていることは確かだろうけど(笑)。
学名は「プリヌス・エドエンシス」命名者はイギリスの植物学者:ロバート・フォーチュン氏、「ソメイヨシノ」の命名は明治34年で、日本の植物学者:松村仁三(まつむら じんぞう)。この松村博士は多分親戚じゃないとは思うけど(笑)、東京帝国大学教授で小石川植物園の初代園長だそうな。へー、へーーーーっ、へえーーーっ。