July 13, 2013

後出しじゃんけん

どんな場合でも、何々が「ある」というのは容易いが、
「ない」と言い切るのは難しい。

たとえば癌の診断にしても、
「癌組織があれば」診断できるが、
「見つからなかった場合、癌ではない」と
言い切れない。その場所で見つからなかった
可能性があるのだ

可能性はあるが、現時点では確証はない」とか
可能性が否定できないだけでなく、現時点では確証もない。とか
誠実かつ正確になるほど、抽象的になってしまう。

医学、医療の世界では
ぼかすとか、はじめから誤摩化すことを
意図しているわけでななく、
断言できない事のほうが圧倒的に多いのだ。

それを揚げ足取りをする
巨大な医療関連の情報産業や、
巷にあふれる「似非医療」の専門家や
各種の「評論家」という
歪んだマスコミの視点が
わざわざ問題を複雑化し
大きくする。

代替医療の胡散臭さ
新興宗教に限りなく近くなった団体もある
ネット社会の怖さ...etc

それに対し、小説を最後まで読んでから、
その展開について文句を付けるような
「後出しじゃんけん」の気分悪さがある。

娯楽としての医療関連情報番組や
ネットなど、コンテンツを制作する側の
責任と自覚も大きいと思う。

比較的ちゃんとリサーチしている事が多いNHKの
わりと「ためしてガッテン」医学系は番組としては好きだけど
これは「娯楽番組」コンテンツであり、
彼らだって本当の「責任」は初めからとるつもりはないだろう。