元気そうに見えるらしい。
実際に調子がいい時には、ばくばく食べられるし、睡眠も摂れる。一般の人にはっきりと分かるような麻痺や神経症状はないので、どこが病気なのか解らない。頭に手術の跡があるだけだ。寝込んでいる訳でもないし、痛みや不快な症状でのたうち回っているわけでもない。外出は短時間ならどこにでも行けるし、食い気満載でブログもくだらない事ばかり(笑)書く余裕はありそうだ…。つまり実際、相当元気そうに見えるらしい。
でも実際には結構凹む日もある。入院が長くなり、精神的な疲れが出ているのかもしれない。常にはなく、ふっと気がつくと、心に何かが澱のようにある。正直に告白するとカラ元気なのだ。
最近、ふと立ち止まった時に感じる
何となく落ち着かない心の奥には、
自分はここで、こんなに元気に笑っていていいのだろうか?
もっと辛そうにしてないと申し訳ないのではないか?
そんな屈折したネガティブな感情が
隠れている気がする。
家族に対して、同僚・友人に対して胸が苦しくなるような、
なんとも言えない「申し訳ない気持ち」になるのだ。
逆説的でヘンな話だけれど、身体の調子がいいことに、
素直に喜べない自分がいる。
今まであまり意識していなかったけれど、
病床にある人は皆、多かれ少なかれ
こういう心境があるのかもしれない。
病人の寂寥感、孤独感
「そこに」「ここに」置き去りにされる寂しさ
別離の苦しさ
影・陰・翳
眩・輝・明
人生には明の部分と、
同じくらいの
暗の部分があることにあらためて気づく
つまり限りなく中庸の灰色の世界が
どこまでも続いている
暗く憂鬱な気分になっているのでなない
むしろ、この色のない世界の
ほっとするような
濃淡のグラデーションの
美しさに気づいた
健康で、元気がある時は「笑い飛ばしてしまう」ような些細な事がすごく気になったり、自分が医師として患者さんに向き合っていた時には全然わからなかった事が、今になって見えてきたりしてる。