March 28, 2013

ぷれぜん

1985年〜1988年のアメリカ留学時代。怒涛のごとくPCが仕事に入ってきた。

この時代にアメリカのプレゼン文化の洗礼を受けたことは、いい経験だったと思う。主張してなんぼの世界。目立つことと自分の意見を主張する事ができなければ、仕事のみならず生活さえもできない。

D−base 3, 1−2−3, その他の様々な表計算ソフトがどっと職場に広がった。1990年頃がひとつの時代だったと思う。その当時、プレゼンソフトがまだなかった。今では考えられないけれど、パワポや、パースエーション、キーノートetcなしで、プレゼン用の資料を作っていたのだ。

1985年ごろ。アメリカの学会や病院内のカンファレンスで見るカラーのスライドの美しさは、衝撃的だった。写真画像は別として、当時はブルーバックのスライドが一般的だったのだ。フォトセンターに頼めば出来たが、個別に頼むとトンデモなく高かった。

そこで僕らは「PC画面」を工夫して撮影することにした。たしか当時創刊して間もないMac Fanに出ていた方法(部屋を暗くして、モニター画面の撮影条件を決めて・・・)で撮影した。ものすごく手間がかかって、1枚のカラースライドを撮影するのに15分〜30分くらい掛かったと思う。スライドを作るのに一所懸命で、それだけで仕事が終わった位の気がしたものだ。スライドが「elegant」であるというアメリカ的な褒められ方があることとを知ったのもこの頃だ。

帰国して日本の学会でカラースライドをプレゼンをしたら、発表の内容への質問と同じくらい「どうやってスライドを作ったか?」についての質問が出たくらいだ(笑)。
その直後から、1990年にはプレゼンソフトが一般化となり、あの時代の苦労は「過去の笑い話」になる。時代は明らかに変わった。

スライドでのプレゼンは随分前になくなって、今はPCからの出力が当たり前になった。本番直前まで直せる。信じられないくらい便利になった反面、プレゼンの有り難みがなくなったかな。本来のディスカッションに集中すべきで、そんなもん、もともと要らないか(笑)。