August 12, 2011

座右の書としてのHarrison & R.E.D.の金曜


大学時代はよく遊んだ、と思う。毎年、何かに憑かれたようにアメリカをバックパックで旅をしていた。出欠のチェックの厳しい午後の実習は100%クリアしたけれど、午前中の講義は興味のあるもの以外は殆ど出なかった。時間があればバイトに精を出していた。でも試験前の集中力と要領の良さには自分でも自信があって、遊んでいるわりには成績は良かった。6年間で再試験を受けたことは一度もない。というか、僕は再試験を受けるわけにはいかなかったのだ。バイトで稼いで貯金して買った格安運賃の航空券なので、キャンセルや変更は当然出来ない。毎回、試験の終わった次の日とかに渡米する僕には再試験を受けないで試験をパスするというのはMUSTだった。もちろん、そのプレッシャーが集中を高めたということもあるけれど(笑)。これは自慢ではなくて、今になっての懺悔。もっと勉強しておけばよかったという反省もこめて。

アメリカ旅するうちにどうしてもアメリカの病院で仕事をしたくなった。英語には多少の自信があったが、今考えてみればコワいもの知らずとしか言えない根拠のナイ自信だ。単純だか熱い夢を見るのは若者の特権。それでアメリカの国家資格のECFMGを受けることにしたのは医学部5年生の時。それから熟読したのがこのHarrisonの内科学の教科書だ。すり切れるくらい読み込んだ(実際、あの当時の医学生の間で流行っていたのだ)。幸い試験に通り厳しい研修医生活、留学生活、専門の修練、そして今の自分がある。医師になって30年間。その間もずっといくつかある座右の本がHarrisonだ。さすがに今はCover to Coverに読む元気はないけれど、バイブルを手許に置いておくのは僕にとっても病院にとっても必要なことのような気がする。画像は本日届いた2012年版の新刊(第18版)。前回の版と較べても、ずいぶんヴィジュアル系になった。時代は変わる。

夜は娘たちが借りてきたBDで、RED (Retired Extremely Dangerous)。こういう娯楽作品って無条件で大好きだ。日本じゃどうしてこういう作品が出来ないんだろう?