水の放射性物質汚染の騒ぎで街からミネラスウォーターがなくなったらしい。まあ、あの発表とマスコミの報道のしかたでは、この巷の反応は当然だろう。科学的に判りやすい説明(例えば、長崎大学の山下先生の講演とか日本産婦人科学会のコメントとか)をもっと広く流して、どうしてみんなを安心させないんだろう?確率論で10万分の1の確率が10万分の5の確率になれば、発生頻度は5倍になるわけだけれど、99995人は大丈夫なのだという事をもっと強調するべきだろう。科学者は「科学的に明らかなこと」を語り「科学的に否定できないこと」は決して断定的には言わないので、「大丈夫だ」と明言しない(できない)。そしてこの確率論で一番問題なのは、個人の心情はそのリスクは1/2ということなのだ。科学的確率と感情的な確率を混同してはいけない。もっとも、だからこそ僕ら一般大衆は当たる確率のかなり低い宝くじを買ったり馬券を買ったりするのだけれど。今回は相手が目に見えない放射能ということで(中途半端な知識しかない)マスコミの連中が話をかき回してるということなんだろう。こんな状況だと、どうしてもネガティブな情報のほうがポジティブな情報より声が大きくなりがちで、そっちの方が「売れる」だろうし。
一昨日くらいから、被災地支援の医療チーム出動の要請がさまざまなセクターやセグメントから同時に来ている。僕としては「考えているより、今こそ動くべきだ」と思っているし、なんとか対応して行きたいとは思う。でも実際にはなかなか難しい。今日の午後にきた東京都医師会からの要請(唐突な事に来週の話だ)について、具体的に考えては見たものの、実際の活動内容についてはまだまだ判らない事ばかりで、現地でも行き当たりばったりになる可能性が高いみたいだ。自分だけで行けるならば楽なのだけれど。
夜はBDで「イングローリアス・バスターズ Inglourious basterds」タランティーノ監督の映画。ブラッド・ピット主演。メラニー・ロランは若い頃のカトリーヌ・ドヌーヴを彷彿とさせる魅力的な女優。彼の作品は人がやたらと殺されるんだけれど、この映画はかなり濃いめのブラックなアクションコメディー。目を背けたくなるようなシーンがありながら、コメディー的な味付け。ちょっとてんこ盛りすぎる感じもするものの、観終わった後には、不思議にハッピーエンド的な感じになるのが巧い。