はっきり言って「売れていない芸人」。もしかしたら憶え難い芸名が問題かも(笑)。僕らハックルが彼と出逢ったのは2005年。かぜ耕士さんのFMさがみの番組の収録の赤坂のスタジオだった。当代一流のワハハ本舗の芸人さんなのに、当時はぜーんぜんオーラがないのに唖然とした。話は面白いのに全然「芸人オーラ」がない(笑)。本当に大丈夫かいな・・・というのが僕らの初対面での正直な感想。でも、狭いスタジオで汗びっしょりになりながら語る彼の姿は、妙に瞳に焼き付いた。その時、僕は「何か」を感じたのかもしれない。彼の一所懸命「何かを伝えようとする」ひたむきさが僕らの心の琴線に触れた。
彼のメインテーマは「僕の細道」。日本中を自腹で歩き、その土地の話題を取材して語るという苦行を、今年で5巡もしている。決して楽な仕事ではなかったと思う。ナイーヴな彼の性格を思うと、その旅の途中で「もう辞めたい」とか、その日のライブで最悪に滑ってしまって、どんより落ち込んで泣きたくなる夜もあったハズなのだ。でも彼は歩き続けて今に至っている。先日の凱旋公演ライブ(日暮里)の姿を観ていて、彼の成長と芸の進歩を感じて、僕は泣きそうになった。そのくらい彼は「ひたむき」なのだ。今時珍しい。彼の旅先でのエピソードは、わははと笑いホロリとさせられるネタが満載。これは本当に素晴らしいことだと思う。最近のテレビ向けの瞬間芸的な笑いではないけれど、彼の真髄は「そこ」にあるんじゃないかと思う。デジタルコンテンツの内容が勝負の「今の時代」になって、彼の活躍の場が広がることを信じたい。たぶん来年からブレークするだろう(して欲しい>笑)。
僕らは、いつか売れる日を信じて(筋金入りで)頑張っている彼を、これからも応援するし、本当に頑張って欲しいと思う。今度のライブ(11月21日)でのコラボが楽しみ。