August 8, 2010

結婚しない男と女

日本の社会の晩婚化はここ20年位で随分進んだ。僕らの世代(今50歳代)では男は30歳前後、女は30歳ちょっと前くらいが「結婚適齢期」とされていて、それをアタリマエのことだと信じきっていて、男も女も「そういうもんだ」と思っていた。その結婚というのは、それまで全然違う環境で生まれ育ってきた「他人」の異性と生活を共にする訳で、「自分の家庭を持つ=社会的に一人前になる」ということと同義だった。今は男も女も30過ぎてから、そろそろ結婚でもするか、って感じ。女性が出産するのも35歳くらいは全然珍しくない。その昔は○高(高齢初産)なんて言われていたのに。一言で言えば結婚観=家族の価値観が多様化している。

様々な社会システムが、そういう「典型的&一般的な家庭」単位のライフスタイルを基盤としてきた訳だから、それがここまで激変してしまえば、社会保障のスキームをアジャストするのが大変なことは容易に想像がつく。この「男女の晩婚化」「社会の少子化」についての社会学的、心理学的、経済学的・・・など様々な分野での研究分析は多数あって、それはそれとして興味深いのだけれど、それだけ深刻且つ重要な問題ということだ。

話が逸れた。

僕の周りにも結婚していない男女がたくさんいる。結婚「できない」のではない。結婚するという選択をあえて「しない」、ないしは、それほど気合いを入れてする気がない。結婚に対する幻想もないし「おひとりさま」の気楽さを選択する。特に男性の場合にはその傾向がある。女性の場合には妊娠出産というイベントを考慮して「婚活」という言葉もあるけれど(男には通常ない)、そういう時期を過ぎてしまうと「どうでも良くなってしまう」ようなのだ。仕事の収入は自分だけのために使えるし、そこそこ貯蓄もあって住むマンションも持っている。食事は外食、コンビニが便利だし気楽。彼女がいればそれはそれでいいし、ある年齢に至ると「恋愛なんて面倒くさいことはヤだ(笑)」ということになるみたいだ。

親戚筋で相談を受けている45歳男(僕の弟みたいな感じ)がいて、このところそのお相手探しをしているのだ。ちゃんとした大学の大学院を修了しているし、身長180cm位でスタイルもいいし見た目だって悪くない。全然おっさんぽくない。性格も礼儀正しく優しいヤツで、みんな「なんでこの人が独身なの?」と首を傾げている。ホモでもない(笑)し。ただ、若い頃から肉食系じゃないのだな。そんな彼曰く、気がついたら35歳で独身。あれれ?と思っているうちに40歳を過ぎた。40歳過ぎるまでは縁談もあったけれど、さすがにこの歳になると縁談もないとのこと。逆に、「もういいや、現状に不満もないし・・・面倒くさいし」という感覚なんだそうな。そーだよな、そーだろうな。彼の状況がわかるだけに一肌脱いでみるか?と、思ったりして。余計なお世話にならない程度でね。