April 16, 2010

Lovely ! ジェームス&キャロル


Carole King & James Taylor@武道館
ジェームス・テイラー&キャロル・キングの夢のようなライブ@武道館。このライブがあると知った時(確か昨年秋のJ-wave)、発売とともにすぐに予約してチケットを入手。それ以来、待ちに待った今日。仕事場から、わくわくしつつ雨の中を武道館へ。九段下に降り立つと、みんなソワソワわくわくと楽しげな同年代のオッサン&オバさんだらけ(笑)。皆その昔ウェストコーストの乾いた音楽にハマった人たちだ。仕事帰りのスーツ姿のオッサンとどこかで待ち合わせた奥さんのカップルも多い。

さて、開演30分前に入場。正面でわりと見やすい場所でラッキー。持参した双眼鏡の設定をしつつ開演を待つ。予定5分遅れてJT & CKが登場。もうそれだけで会場のおっさん&おばさんは最高潮に盛り上がる。さりげなくリラックスして始めたみたいだけれど、実は緻密に計算されたステージングだと思う。すべて聴き慣れているという安心感。ジェームスのギター。さすが達人の技に感服する。彼って手が大きいんだよな。スゴい難しいコードもさりげなく押さえてしまう(笑)。双眼鏡で観る限りでは、バックのギタリストがバックアップでいるみたいだ。5弦と6弦のオープンチューンも面白かった。それにしても彼のギターの素晴らしさ。途中でのチューニングは皆無。TaylorかYamazakiの特注だろう。音に張りがあって艶やかでアコギのお手本みたいな音作りだった。ちなみに入力はピエゾのみ。ミキサー&音響の力量なんだろうけど、昔は最悪だった武道館の音も場所を気にせず、それなりの音で鳴っていた。

さりげないソロから初まり、バックでベースとリズムセクションで自然に盛り上げつつ歌う、JT & CK.。バックコーラスも素晴らしい。メンバーはTroubadourのDVDとは変わっていて、それぞれがソロとして歌えるんじゃないか?というレベル。ギターのダニー・コーチマーの超絶テク(でも、聴きなれた安心できるフレーズがお約束)、パーカッションのラス・カンカルの音とリズムは、アコースティックで乾いていて、実に素晴らしい。僕らのライブでももうちっとリズムセクションの音量を前に出してもいいのかも。彼らの音作りは随分ためになったと思う。

キャロルの元気なこと!その声の張りと声量には圧倒される。とても今年67歳とは思えない(笑)。ステージ上を飛んだり跳ねたりしてLovelyだった。アメリカの元気ねーちゃんが、そのまんまで年取ったみたいな感じ。往年のヒット曲を、過不足なくやるサービス精神に感激した。とくにNatural Womanがよかったな。I've been Crying in the rainの掛け合いには鳥肌がたった。いいなあ、あのアコースティックの音とコーラス。

それから印象深かったのは、ブルース! キャロルもジェームスも個性的で、ふたりとも彼ら特有の節回しがあるけれど、二人ともブルースのベースがあることがよくわかった。ばりばりのロックンロールも無条件で楽しくて、嬉し懐かしいポイントをピンポイントで攻めて来る(笑)。

クロージングのYou've gatta Friendは「お約束」なんだけれど、会場にいた人たち全員がその感情を共有体験している気持ちよさ。シンプルな構成が「らしく」て、不覚にも涙が出そうになった。周囲の人たちとともに、スタンディングで盛り上がってアンコール2回。最後の最後にはロコモーション(!!) が最高だった!変な話だけれど、枯れつつも元気な彼らから、元気をもらった。大満足のライブ。唯一不満だったのは武道館の椅子。お尻がイタくなった。