十分なインプットなくしては、満足のいくアウトプットは望めない。何かを得るためには、何かを犠牲にしなくてはいけない。当り前の真実なんだけれど、これがなかなか難しい。
ある時期からできるだけ、身体的にも精神的にも「いい栄養を摂る」こと意識するようにしているけど、容易なことではない。食べ物で喩えれば、日々の生活の中で、どんなものを摂るのか?というのは、プリミティヴなことだけど、どう生きるか(どんな生活にするのか)ということと表裏一体なのだ。美食三昧がいいわけもなく、かといってジャンクフードばっかりでいいわけもない。そのバランス。
アートの世界だともっと深い。インスピレーションはいろんなセンサーやらレセプターがなくては反応しないだろう。さまざまなインプットをすること。天才といわれている人たちの素晴らしいのは、その生れながらの資質に努力がうまく調和できる、その才能があることだと思う。人一倍「がんばれること」「集中できること」っていうのも大きいだろう。
若い頃はいいのだ。ただひたすら貪欲にいろんなものを吸収すれば。人生の折り返し地点を過ぎたこの歳になると、もう少し慎重かつ大胆になる必要がある。