April 9, 2008

ホームパーティ

ニュージーランド生活繋がりで、もうひとつ。

イギリス系では、夕食のことをTeaという。それを知らなかったもんだから、Would you come to my place for tea? と聞かれたときに、「家にお茶を飲みにこない?」と誘われたのかと思った。夕方からお茶に呼ばれるっていのは???だったんだけど、このTeaというのはまさにDinnerのことで、supperのことでもなく普通の御馳走だった。日本の英語の辞書では「午後5時くらいからの軽い食事」なんて書いてあるけど、あれな大きな誤り。

さて、ニュージーランドでの生活はある意味単調で刺戟が少ない。いわゆる娯楽施設が圧倒的に少ないのだ。つーか、東京が多すぎるってことなのかもしれないけど。基本的には人は仕事から家に帰ってからは、外に出ずにのんびり過ごす。じゃ週末はどうするかというと、もっぱら金曜の夜か土曜日の午後から夜は、誰かの家に集まってパーティをするわけ。金曜の夜のパーティの場合には集合は7-8時くらい。土曜の場合には午後から、という感じ。家族全員で行くのでけっこうな人数になるんだけど、そこは大きな家の多いお国柄、全然問題ない。普通の格好で気軽に集まる。大体お土産は自分達が作ってきた料理やケーキ、ないしはワインなど。

そのうちのホスト(御主人)とホステス(奥さん)が迎えてくれて、部屋に入ったらあとは「勝手にどうぞ」って感じで、出席した人たちとおしゃべりをする。面白いのは、子供たちは一緒に食事をしないこと。決して大人の話題には入らない(入れない)。そのお宅の子供たちの部屋に通されて、そこで遊んでいなさいというシステム。食事もマックとかKFCとかピッツアとジュースなど。大人たちは別室で、その家のカップルがエンターテインするべく、音楽をかけたりローソクを灯したり、アロマを焚いたりして、おしゃべりを楽しむ。

そのお宅によっていろんな趣向があって面白い。庭とかリビングでワインとかビールを飲みながらおしゃべりしたりしていて、時間となったらホストの合図でテーブルにつく。そんなに凝った料理じゃなく、いわゆる家庭料理とか週末の御馳走的な料理が多い。2時間以上かけておしゃべりしながら・・・。その後はまた各自勝手にリビングやらテラスへ行き飲んだり食べたり・・・大体深夜12時とか1時に解散。子供たちは部屋で眠っているので彼らを車まで運んで、それぞれが帰路に着く・・・

だいたいそんなパターン。一番困ったのはやはりパーティの会話。子供たちは早い段階から英語以前(笑)のコミュニケーションが自然に取れるから問題ないけど、大人は話題がないと辛い。時間が持たない。だから僕もかみさんも、いくつかのパーティネタを持っていて、それをとっかえひっかえ使ってたなぁ。その意味では、すごくコミュニケーションの勉強になった。

もちろん、その招待への「お返し」の意味で、自分の家にも招待するわけだけど、ニュージーランドで住んでいた病院の宿舎(築60年以上の木造2階建てのフラット)に10人くらい呼ぶのは大変。でも、不思議にそんな狭いところでわいわいがやがやするのも楽しくて、気楽な手巻き寿司とか餃子とかの料理でみんな大喜びしてくれた。

このところ想い出すのは、あの日々の豊かさで、決して贅沢じゃないんだけど、大人が集まっていろんな話をしつつ、緩やかに時間を共有し、人の輪を広げてゆく・・・ということを、ごく自然に毎週末にできる社会の豊かさ。もちろん、そればっかりだと、ある意味「飽きる」んだけど(笑)、今の日本にはソレがなさすぎる気がする。日本の場合、人を呼ぶにしても呼ばれるにしても、あまりにも「頑張りすぎちゃう」し、お互いが気を使いすぎるのかもしれないし、子供も大人もぐちゃぐちゃになってしまう(大人が子供に手を出しすぎる)。向こうにいるときには、日本でもこんな気楽な「大人のパーティ」をやりたい・・・なんて言っていた僕ら夫婦も、帰国したらなんだか億劫になってしまった。

やはり「文化」の違いなのかも。