January 31, 2008

論文小説

医学部と薬学部の兼任講師として学生や研修医たちの教育に、今でも携わってはいるものの、研究という面ではアカデミックキャリアから遠ざかって、早いもので10年以上経っている。今は臨床の現場にどっぷりの日々だけど、僕のCV(研究論文や発表などの業績集)を久しぶりに見てみたら、若い頃は多いときで年に5本、少ないときでも3本くらいの論文は発表していた時代があったんだ、しみじみ。

科学論文というのは・・・
1)抄録(サマリー)
2)序(はじめに):研究の目的(仮説)を述べる
3)対象と方法:研究対象と研究方法
4)結果:実験の結果を述べる
5)考察:結果について考察して、文献的な検討を加えて結論へ導く
6)結語:まとめ
7)参照文献
8)謝辞:研究をするにあたってお世話になった人へのメッセージ
という構成。

安月給で四苦八苦しながら、日本・アメリカ・ニュージーランドでよく頑張ったなぁ。英語で論文を書いたり国際学会で英語で発表することが、全然苦痛じゃなかった。むしろ自分から進んで挑んでいった。日本の学会で海外からの発表があると必ず質問したし・・・(目立ちたかっただけかもしれないけど<爆)。ま、でも、あの頃の自分にヨシヨシしたくなったのは事実。

もうひとつ感じたのは、物語としての論文の可能性。学会で注目を浴びてヒットするような質の高い研究論文っていうのは、面白い小説みたいに感動するものだってこと。最近この感激(書く喜び、読む喜び)から少し遠ざかっているなって反省した。

小説(物語)の流れは「起承転結」が基本だけど、科学論文の定石である上の方式1〉→ 8)で書いてみたら面白い(ある意味斬新)かもしれない。あ、でも、業界ウケするだけかもな(爆)

その昔、医局の後輩の結婚披露宴での祝辞で、学会発表形式でスライドを使ってやったら内輪では最高にウケたけど、一般の参列者はキョトン、シラーっとしてた(恥!)もの。