September 17, 2007

北海道引きこもり旅 三日目

朝5時前に一度目覚めたけど、昨夜のワインが残っていたのかもう一度うつらうつらと二度寝。すごく楽しい夢を観たんだけど、目覚めた瞬間にストーリーを忘れてしまった。休日のささやかな幸せ、こういうのが。6時半ころ冷たいシャワーを浴びてから、朝食。小樽ハーバーに面した、ここ(ヒルトン小樽)の朝食バイキングは素晴しい。サラダをたっぷり、グレープフルーツジューツ&濃厚なミルク、ご飯とみそ汁、ニシンの塩焼き、納豆、鮭のちゃんちゃん焼き、厚焼き卵などなど。マリーナの船を眺めながら、がっつりと食べて大満足。

午前中はのんびりと文章を書く。今まで書いて来た「象の話」、「海に降る雪は積らない」の修正加筆と、今回の旅で書き始めた小説プロット「Rainbow's End(仮題)」と「カフェの二人(仮題)」の構想を膨らます。ものを書くって作業は、その情景のディテールが頭の中で鮮明になればほとんど出来上がったみたいなものなんだけど、こういう時間と空間の中で没頭することは至福の時間。自分にはこれが必要なのだ。時間を忘れて想像の世界を浮遊する。意識的に無意識の夢を観ているような感覚。ワクワクしながら映画を観ているようにストーリー(シーン)が浮かんでくれば最高なんだけど、それはある意味、才能と鍛錬が必要なんだろうな。アマチュアの限界も感じる(笑)。でも今日はひさしぶりに、音楽をやっているときと同じアルファ波が出ていることと意識した。

12時チェックアウトし午後札幌に向かう。札幌駅周辺のデパートをふらりふらりと歩き回る。すごいね、ちょっと来ていなかったので、札幌駅周辺がずいぶん様変わりしていてびっくりする。うちのおみやげの「タラバ蟹(浜茹で)」「ほっけ」「目鯛の開き」「羅臼昆布」などを買って宅急便にする。観光客向けの市場に行くんだったら地元の人の買うデパ地下の食品売り場のほうが安くていいものがある、というある人のアドヴァイスに従ったのだ。ふむふむ、確かに品物はお土産専門店より良さそうだし、値段もリーズナブルだ。娘のリクエストの「じゃがぽっくり」を探すが、最近大人気らしくどこの店でも品切れだそう。ロイスのチョコレートと共に明日探してみよう。

全日空ホテルにチェックイン。最近の札幌のホテルラッシュで苦戦してるんだろう。一昔前のシティホテル風。何年も前に泊まった時の印象と違い、ずいぶん古ぼけちゃった感じだけど、まあ素泊まりするには可もなく不可もなくって印象。一泊1万円(セミダブル)だから、ま、こんなもんでしょ(笑)。贅沢いっちゃいけません。チェックインしてから、ビールを飲みながらベッドに横になり「半島を出よ」を読んでいるうちに睡魔。2時間くらい寝てしまったようで、目が覚めたら、窓から見える札幌の街路は、既に暗くなっていて、しとしと雨で濡れている。TVによると東京は30度だというのにね、札幌はもう完全に秋の気配。

6時すぎにススキノに向かう。ひさしぶりに訪れてみると、何となく以前の活気がなく寂れた印象。あの圧倒的な猥雑なパワーはどこへ行っちゃったんだろ? 連休最終日の夜だから人が出ているのかと予想していたのに拍子抜け。軽くお寿司をつまむべく「総本家・東寿司」へ。ビールと焼酎の緑茶割りとともに、中トロ、アワビ、ぼたん海老、イクラ、さんま、貝類のお刺身などなど。小樽のお寿司と一緒で、「それなりに」おいしいんだけど感激しないのは、このレベルだったら東京で食べられるレベルだってことなんだよね。ま、物流が進歩した今の時代では、当たり前のことなんだけど、ちょっと残念。シャリは軽くておいしかったし、値段はやはり安い。次の店を探しがてらススキノを散策。雨のせいか人影もまばらだ。インスピレーションで店に入る楽しみが急速に萎えてしまった。さらに、ススキノの「ラーメン横丁」と「新ラーメン横丁」を覗いたら、全然人が入っていなくて閑古鳥。全国のうまいラーメンがどこでも簡単に食べられる今の時代では、あの「横丁」の存在意義がなくなっちゃんだろうな。ま、今回の旅のテーマは「ひきこもり」ということを思い出し(爆)、コンビニで今晩のお酒を調達して、タクシーでホテルに戻る事にする。

「ちょっと寂れた印象のホテル」の例の部屋に戻ってi-podで音楽を聴いていたら、空腹感。だってお寿司はアペタイザーのつもりだったのに、次の店に行かずに帰って来ちゃったんだから、当たり前だ(笑)。「食のエキスパート」のさとなおくんみたいにはいかないけど(笑)ラーメンの「はしご」くらいは出来そうな気がしてきた。実は明日の昼飯にしようと思っていた「札幌らーめん共和国」という札幌駅に隣接したビルESPOの中にあるラーメン・コンプレックスに向かうことにする。選んだのは、まず小樽「初代」の醤油ラーメン。かなり濃いめの醤油味なんだけど、昆布やホタテなどのダシが聞いていてあっさり系。次に選んだのは、函館「楽」の塩ラーメン。きっちり基本の塩ラーメンって感じだな。さすがに2杯めは「ハーフ」にしてもらったけど、満腹大満足&ちょっと千鳥足で雨の札幌を歩きホテルに戻る。