September 2, 2013

宮崎駿さんの引退に際して

宮崎駿監督が引退を表明した。

監督としての「創造的な期間は10年しか続かない」と。

彼ほどのクリエーターであっても、10年。

重みのある言葉だ。
たしかに、どんなに偉大なクリエーターであっても
感性、技量、経験、体力、人間関係...etc すべての「総合力」が
ピークとなる時期は限られている。

また、あれだけの大作を作り上げられる人が
毎回毎作品毎に、心血を注いでいくからこそ、
もうこれ以上できないという心境になれるのだろう。

彼自身は「自分のピークは過ぎている」ことを知っていたはずだ
今回の監督の「引退宣言」は、彼なりの美学なんだと思う。
本当のプロフェッショナルは、自分の引き際を知っているものだ

宮崎駿さんは2世代上。

僕にとってその「人生の特別な10年」は、どこだったのだろう?
一番輝いていた10年がどこかにある筈だ。

偉大な先人やその道のプロと較べるものおこがましいが
大切な節目となる「10年」は
我々のような「非生産的な」市井の民にもあるはずだ。

自分の人生を振り返ってみると、
10代、20代までは早く大人になりたかった
30代には40代に憧れがあり
40代になったら50代に憧れ
心身ともに充実した50歳代になってみると、
社会的にも成熟し一番居心地が良い(←確かに、イマココにいる)

60歳代から先は未経験だからわからないけれど
この世代が中心である事は間違いない。

自分がクリエーティブな人生を送っているかどうかは
はなはだ心もとないけれど、大多数の御同輩達が
へらへらと幸せそうに笑っていられる
日本の平和な社会っていうのは
僕は「悪くない」と思うのだ。