May 16, 2013

Sizzling Riceという魔法について

Crispy, sizzling rice
カリカリに
高温で焼いたご飯

クリスピーな
おこげが香ばしく
食欲がわく匂いだ

じゅうじゅうじゅう
ぎゅうぎゅうぎゅう

その、おこげご飯の上に
少しとろみのあるスープを
一気に流し入れる

じゅわ〜ぱちぱちぱち

弾けるお米
まさにsizzling rice
 この瞬間が
 この皿のクライマックス

香ばしさと
立ち上るスープの香り
ひとしきり落ち着いてから
スープを頂く満足感

味覚、視覚、嗅覚、
一気にやられる
Sizzling riceの愉悦

クリスピーなご飯が
弾ける音と共に
ちょっとだけ
切ない気持ちを
思い出した

たぶん
きっとそれは
Sizzling rice の魔法

^^^^^^^^^^^^^^
懐かしく、ちょっと切ない思い出
キーワードはSizzling Rice

少し薄暗い、寂れた感じのチャイニーズレストラン
時は1980年代。20歳代半ば。一番やんちゃな頃だ。
まだ僕は医学部の学生で、休みにはほぼ毎年アメリカを貧乏旅行していた。
もちろん当時はまだ独身だった。そして、ある時期、それもごく限られた期間、ある人の事を好きになってしまったのだ。

なぜそんな気持ちになったのか判らない。旅に出るまで予感さえなかった。卒業も決まり、仕事をするまでに、1ヶ月くらいアメリカを旅するモラトリアムの時間があった。西海岸を旅して2週間経った。西海岸のその街から、東海岸にいた電話の声を聞いたら、その人にどうしようもなく逢いたくなった。後先考えず、その地方都市にすっ飛んでいくことになった。

夢のような素晴らしい時間が、確かにそこにあって、僕はぼ〜っと夢うつつのままLAに戻って来た。その後ハワイの友達から、カピオラ二パーク近くのウソみたいに安いweekly rateのアパートメントホテルを教えてもらい、腑抜けたまま1週間近く過ごした。一人で歩くワイキキの街は全然現実感がなかった。自分で勝手に勘違いして、一気に沸点まで盛り上がって、勝手に自爆したのだ。発症から完治まで(笑)全経過2週間の「熱病」みたいなものだった。

成田に到着した瞬間、すべてが夢の中の出来事みたいな気がした。以後その彼女と会った事も無いし、不思議な事に会いたいと思った事も無い。繰り返すけど、すべてが夢の中の出来事。誤解されないように一応書いておくけど、完全にプラトニックだった。

きっとあれは、
Sizzling Rice の魔法だったと思う。
間違いない。