最近使わなくなった昭和の言葉。
「おっちょこちょい」
粗忽な人、落ち着きないさま。1910年代にはすでに東京で使われていた言葉らしい。なんとなく響きにユーモラスで、あまり深刻そうじゃない感じがあって面白い言葉だ。子供の頃はよく使われたのに、いつのまにか全くといっていい程使われなくなった。無声映画時代のナンセンスギャグのニュアンスがある。子供の頃、落ち着きのない子供で、しょっちゅう怪我をしていて、お前は本当に落ち着きのない「おっちょこちょいな」子供だ」とよく云われた。
同じような感じの言葉に「すってんころりん」がある。勢い余った感じで転倒するさまで、これもなんとなく深刻さがない「結果オーライ」のユーモラスなニュアンスがある。すってんころりんと「やっちまった〜」的な感じ。僕的には、「おむすびころりん」の童話のイメージがかなり大きく、転倒>ころりん>おむすび の固定観念がある。
演劇の流れで「口喧嘩の啖呵」の「すっとこどっこい」もある。威勢のいい侮蔑の言葉で、今は死語だろう。実際に使っているのは時代劇の町人くらいか。
「つんつるてん」身長に対して丈の短い衣服などを着ているさまをからかったり自嘲する際に使う言葉。逆に新しい表現かも。