最近、ニュージーランドで生活をしていた頃のことを懐かしく思い出す。当時まだ小さかった娘たちが、もうみんな成人しているわけだから、あれからもう20年近く時間が経っているのだなあ。しみじみ。
ニュージーランドの週末。ほぼ毎週末の土曜日はどこかの家のパーティがある。昼からのBBQも一般的。昼間のパーティの場合、子供たちが主役というか「屋外で皆でわいわいごはんを食べる」ということがメインで、これはこれで楽しいものだ。子供たちは多くの社会的なルールを大人たちから学ぶ。昔の日本だったら当たり前だった、近所付き合いとか親戚付き合いに近い親密な人間関係に近い。いつのまにか僕らが忘れてしまった「あの感じ」というか。
「他にやることがない」とも言えるし、豊かでのんびりしている、ともいえる。アメリカとはぜんぜん違うのだ。素朴で温かい。
各家庭に集合するのは午後4−5時くらいから。ポットラックで、皆で食材やワインを持ち寄るのがお約束。ちょっとした日本料理(肉巻きとか手巻き寿司とか)は大人気だった。みんなが三々五々到着するとパーティ開始。子供たちは子供たちで遊ぶのがルール。部屋に入れてしまうと勝手に大人の世界に入ってくることはない。このあたりの「大人と子供」のルールがしっかりとしているのは感心したものだ。ピザとかチキンのテイクアウトと飲み物を食べながらご馳走を食べる。年長のこどもが小さな子供をの面倒をみるのがルール。みんな部屋から出ないでゲームをしたりして遊ぶ。22時くらいになるとみんな勝手に大人しく雑魚寝。
大人たちはゆっくりとワインやビールを楽しみながら食事と会話。この時間の使い方は日本にはないゆったりとしたものだ。慣れないと時間とか会話を持て余してしまう。カジュアルな大皿料理もあれば、サーブされるような料理もある。会話を楽しみながら深夜まで。英語では全然僕のほうがコミュニケーション能力があるはずなのに、パーティでの会話では尚子はいつも人気者だった(笑)。それぞれ抱腹絶倒のネタがあったなあ。それを繰り返し繰り返し楽しむ。音楽はかかってることもあったけれど、テレビは皆無。間接照明かロウソクの明かりの下でのお喋りも多かった。大人が大人の時間を皆で共有できる世界というか。
日本に帰ってきてから、あのNZ風のホームパーティを思い出して日本でもやってみようと思っても・・・今まで実現したことはない。時間の流れが全然ちがうのだな。
ああ、懐かしい日々。