March 14, 2012

「どん底の人」その後

「どん底の人」という文章を2010-9-23に書いた。華麗な閨閥の家に生まれ、サラブレッドとして育ち、東大を卒業して官僚になり、その後政治家に転身。地盤も看板もある名門の跡を継いで政治家として順風満帆だった人。「ある事件」をきっかけに「どん底」に突き落とされた。その事件はたしかに金銭スキャンダルだったけれど、マスコミは徹底的に彼を責め立て、完膚なきまでに叩き潰した。羨まれるような立場だったから、なおさら彼への責めは容赦がなかった。刑事罰が下った訳でもないのに、政治家生命だけでなく、社会的立場も抹殺されてしまった。僕が初めて彼に出会ったのは、その事件の2年くらい後の2011年。生ける屍のような彼は、華やかな世界にいた人とは思えないくらい、やつれ果てボロボロだったけれど、僕は時間が経てばこの傷も癒えて再起できるだろうと思っていた。ところが2年半ぶりにあった彼は、多少元気になってはいたものの社会復帰しているとは思えない状況だった。たぶん、もともと彼は温室育ちの繊細な人で抵抗力のない線の細い人だったんだろう。とはいえ、ここまで一人の人生を潰してしまうほどのバッシングは too muchだと思う。世間を味方に付けて、正義を振りかざすマスコミの暴力。そして彼らの冷酷な所は、旬の話題でなくなったら「ポイ」っと捨てフォローも何もしないことだ。マスコミの当事者達はこの事をどう思っているんだろう。彼の才能と能力をもってすれば、まだまだ多くのことを成し遂げる余地が日本の社会にあった筈なのに。

ところで、昨日の理事会の資料が今朝から見当たらない。会議が終わって鞄に入れた時点までは確実にあったけれど、どこかに置き忘れたのか?あまり物を置き忘れたりしないほうだと自分では思っていたけれど、そんな自信が揺らいでしまった。しかし、ヘンだなあ。たまたま昨夜は鞄の中身を入れ替えたので、自宅に置き忘れたのだろうと勝手に思っていたけれど。鞄から「落とす」ということが考え難いし(そのくらい大きい封筒)、酔っぱらっていた訳でもなく、とくに隙だらけだったというわけでもない。それに「置き忘れる」ような状況も考え難い。紛失したとしても、対外的にはあまり問題ない書類ばかりだけれど、気持ちが悪くてしかたない。

追補:3-15連絡があり、理事室の机の上に置き忘れていたとのこと。はああ、あの時書類の詰まった封筒を一旦机の上に置いたんだ!今その光景を思い出した。ああ、すっきり!