February 16, 2012

はやぶさ 遥かなる帰還

研究日。いつもの往診の帰りに南町田グランベリーモールで「はやぶさ 遥かなる帰還」(東映)主演:渡辺謙、江口洋介、夏川結衣、山崎努、吉岡秀隆。先日の川口先生の講演のイメージが残っているうちに是非観ておきたかった。豪華なキャスティングで、渡辺謙はさすがに川口先生をうまく演じていた。ま、ちょっとかっこ良すぎるけれど/w。テーマは「絶対にあきらめない日本人」。でも川口先生が、なぜ、どうして、どういう理論武装をしてその決断をしたのか?が、すこーんと抜けていて(というか描き切れていない)。川口先生が言っていた神社にお参りに行った話が、飛不動でのシーンにかぶるんだろうけれど。それと、たぶん実際の現場であったであろう「じりじりと胃の痛くなるような緊張感」が描き切れていない気がする。とはいえ、映画を通して日本人の職人芸、真面目さ、技術力など世界に誇るものだと誇らしい気持ちになった。

川口先生御本人が言っておられたように、本体の模型を実際に作ってあったり、CGもかなりのレベル。でもエンディングでもっと盛り上げて泣かせてくれるのかと思ったのだが、これが逆に実にあっさりしていた。たぶん本を書いた人たちはもっとドラマチックなドラマを期待してたくさん取材したんだろうけれど、現場の人たちは淡々と冷静に事に当たってことなんじゃないか?映画としてのストーリー性を作るために、無理矢理ドラマっぽくした感じになったのがちょっと残念。渡辺謙は、さすがに川口先生のあの飄々とした感じを上手く演じていたと思う。☆☆1/2。未来のあるこども達に観て欲しい映画。

蛇足ながら、「遥かなる帰還」って日本語的におかしいと思う。「遥かなる」に続くのは「道」「旅路」という時間的空間的に距離感のあるもののハズで、「帰還」は合わない。「遥かなる旅路の果てに帰還する」のだ。制作サイドで、このタイトルが問題にならなかったのが不思議。揚げ足をとるようだけれどこの辺りは大事にして欲しい。老婆心ながら。

はやぶさ関連では、3作品作られていて、竹内結子、西田敏行の「HAYABUSA」(20世紀フォックス)は去年秋に観ている。こっちのほうが楽しめたかな。