助けあいジャパン

January 11, 2012

コミュニケーションの闇の中で

ネット上のコミュニケーションは本当に難しい。また昨年来の懸案のトラブルのタネが再燃してしまい、「お目付役の長老」という立場上、僕なりにトラブルシューティング。ネット世界での個人と個人の誤解の修復は、実際にはほとんど不可能だ。これは古くはパソコン通信の時代からあったのだけれど、Facebookを初めとしたソーシャルメディアの世界が普及するにつれて、そのリスクが肥大化した気がする。ソーシャルな世界でも「親しき仲にも礼儀あり」。でも、ここがポイントで、「礼儀」や「モラル」や「社会的ルール」の基準は個人個人で少しずつ違う。リアルな世界では非言語コミュニケーション(いわゆる「空気」とか「間」みたいなものだ)で補完しているものであっても、ソーシャルな世界では、無機質な文字列で意味するものはむき出しで無防備だ。おたがい「よかれと思って」発した言葉が、予想もしなかったダメージやネガティブな反応を相手に与える。ネガティブなスパイラルに陥るのは時間の問題だ。だからこそ僕らは慎重でなければならない。今回の当事者たちはいわゆるネット上級者たちなのに、彼らをしてもその「ドツボにハマる」という愚を犯す。当人達はリアルでは人間的にも魅力的だし才能も能力もある人。それぞれの言い分も妥当で間違っていない。でもこのように抉じれてしまったら、修復は不可能だ。やれやれ。落ち着くところに落ち着けばいいのだけれど。

医師会の理事会があるので、その前に晩ご飯。かみさん推奨の自由が丘キッチン・プラスに初訪問。ご夫婦でやっているこじんまりしたカウンターだけの洋食屋さん。奥さんのきびきびしたサービスも好感だし、黙々と調理するご主人も見事な職人芸。今日はさくさくカキフライと絶品タルタルソースに惚れた。きっちりしっかりと美味しい。このお店のすべてのメニューを制覇したい。ちょっとハマりそう。

今夜はFB内で拡散している医学的には非常に疑義のあるコンテンツが、福島の風評被害を拡散することに対しての危惧のコメントをした。この医学的にはあり得ないログが、日々の生活に不安を感じている人たちとってあまりにもショッキングなコンテンツなので、FB内でどんどん拡散しているのは問題。我々医師が読めば「ははん、こりゃ変だ」とわかるけど。冷静に考えれば、そんな大変な急性放射線障害の患者がいたとすれば、医療の現場から情報が発信されて非常事態になっているだとわかるのに。ガセ情報をシェアして拡散してしまった人には悪意はないけれど、福島の風評被害を拡げるのに加担してしまっている。それが悲しい。どれだけ福島の人たちがこの風評被害で傷つくかについて知ってもらいたくて、居てもたっても居られず医学的立場で反論した。

でも、もうこの問題には立ち入らないつもり。人ぞれぞれで考え方もあるので。



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