以前にもここに書いた、最近の "Occupy Wall Street"運動について。
格差社会の問題が世界中で噴出している。世界中のいたるところで、公共の場所を占拠してデモンストレーションをする人たち。「1%のお金持ち」と「99%の非お金持ち(自分たち)」がいるのは不公平・不平等で「フェアじゃない!」と主張しているらしい。「らしい」というのは、もちろんマスコミからの受け売りで、正直な所彼らが何を主張してどうして欲しいのかが全然見えない。
彼らが主張する「正義」はどこか嘘っぽくて軽いのだ。単なる空虚な戯言として聞き流すには影響力があるようにも見える。でも、(こんなことは当たり前なんだけれど)正論が必ずしも正しいとは言えない。
今日の産經新聞の記事にあったように、ウォールストリートのどこかの企業のCEOが「よーし、わかった!君らの言う事は正論だ。ここにいる全員にひとり1億円あげるからデモを解散してくれ」と言ったとしたら、何が起こるだろう?
たぶん、ほぼ全員が万歳して「ラッキー!」とか言いながら解散しちまうんじゃないか?
そんな志のない安っぽい革命は現実にはおこりえない。
つまり「ゴネ得」とか「あわよくば億万長者」みたいな風潮を助長したのがSNSというとこは言えるのかもしれない。SNSのようなソーシャルメディアの功罪。そして僕の大嫌いな「プロ市民」の存在。アラブの春やエジプト革命が、卓越したリーダーがいなかったにもかかわらずSNSで「民衆が連帯して」成功したことになってる。しかし、あの革命プロセスの場合には、そもそもバックグラウンドが全然違う。長年に渡り民衆を搾取し続けて倒れるべくして倒れた旧体制のシステムがあって、その崩壊は、市井の民衆にとっては「妥当な出来事」だったのだろう。つまりSNS はツールになったかもしれないけれど、きっかけにすぎない。世の中にきっかけとなるようなエネルギーがあるから、それかツールとして機能したんだろうな。
とにかく、「自分たちには99%の支持があるはずだ」といって、傍若無人に何をしてもいいというのは、違うよなあ。