July 2, 2011

濃い街・名古屋でバーレスク

一昨年末に亡くなったオヤジの墓参りで名古屋に来ている。母方のルーツが三重県伊勢志摩のほうで、曾爺さんの世代が名古屋で出てきて商売をしていた。その爺さんは包帯や衛生材料の軍需工場をやっていてエーザ☆のもとになった会社を創業した人。満州事変で二十歳で亡くなった跡取り息子は軍医見習いだった。その曾孫の僕が医者をやっていることま因縁なのかしれないと墓石を観ながらしみじみ感じ入る。たしかに僕がこの道に進む時には不思議な力が働いたのだ。そんなこんなで、名古屋は昔からなじみのある場所。本籍は名古屋だったけれど、海外で生活することになって書類上いろいろと不便になったので結婚を期に本籍を東京にしたけれど、医師免許も本籍は愛知県として記載してある(本当は変更するべきなんだけれどやってない)。今年は3月の御彼岸に墓参りする予定だったのが、311で延期となり、今の時期にお盆も一緒にやってしまおうということになった。お寺さんに聞いたら「お務めは気持ちの問題」とのことで、それはそれでいいんだそうな。仏教って、よく言えばわりとフレキシブル(悪く言えば適当)なところもあって、そういう所は僕は好き。東京ー名古屋間は新幹線のぞみで1時間半だから日帰りも十分可能な距離ではあるけれど、週末ちょっとのんびりしたかったのと、オフクロの疲れを考えて一泊ということになった。  

なぜが個人的に「名古屋といえば地下街」というイメージが強い。今時の奇麗で洗練された地下街ではなく、昔ながらのごちゃごちゃした地下街のケイオスの喧噪にシンパシーを感じる。台北とかソウルのごちゃごちゃした地下街の雰囲気とすごく似ていると、以前から思っていた。アジア特有の「濃さ」というか。その意味では名古屋ってアジア的な匂いのする街だと思う。歩いている女の子(かわいらしい子が多い)のセンスとかブランドショップが軒を連ねる繁華街も「現代風のアジア的」な印象で一括りに出来る感じ。あ、これ決して「イナカくさい」という文脈ではなく(追補:かわいらしい女の子というのはかわいい女の子とは微妙に違う)。

夜は姪っ子のまゆちゃんのリクエストで、みそかつ・矢場とん。これもコテコテの味噌味なんだけれど、僕はもともと赤味噌文化で育っているので、この濃さは好き。ロースかつと海老フリャーのセットをいただく。
ホテルの帰る道すがら、ちょっと気になったスペイン料理のバールがあったので、一人で立ち寄った。en plancha! 実にカジュアルな店なんだけれど気持ちよくスパークリンフワインとタパスなど。ムール貝とアサリのワイン蒸しはスープが美味しく〆にはぴったり。千鳥足でホテルに戻り、夜は公開時に見損なった映画「バーレスク」をオンデマンドで。クリスティーナ・アギレラの圧倒的な歌唱力の魅力。好きだなこういう映画は。アメリカ的な成り上がり的サクセスストーリーもいいし、ハッピーエンディングにも好感。ムービーミュージカルの質はさすがで、実際にバーレスクの舞台を観に来ている観客の気持ちと同化する感覚。エンターテインメントとしてCP値の高い映画だ。満足!☆☆☆☆

画像はひさしぶりに会って盛り上がる孫娘と婆様の図