May 6, 2011

傷つけるつもりが無いだけに、致命的勘違いをしている人たち

震災の被災者の心は明らかに傷ついている。とくに大きな被害を被った人たちは絶望の淵にいる。それは事実。被災地には「心のケアチーム」とか「傾聴ボランティア」とか、精神科医とか臨床心理士などの精神医学のプロだけでなく、アマチュアのグループが数多く入っていて避難所を巡回している。さらに、既存の宗教やら怪しい新興宗教団体の布教活動、さらには政治団体やら、野放しの怪しいNPOなど。

でもね、被災者が皆、単純に他人に「助けてもらいたいと」思っている訳ではない、ってことがなぜ判らないんだろう。否、彼らは十分に判っているんだろう。それにも拘らず、やっちまうんだよなあ。なぜなら「精神的に傷ついた人に対して、自分たちの行為が全面的に善意で、手助けになると信じているから。

ある避難所にて
「こんにちわ」
「ああ、こんにちわ」
「おばあちゃん、ご飯は食べられてる?夜は眠れている?」
「まあ、なんとかね。ありがとね」
「私たちはXXXというボランティアです。きっとお辛いでしょう・・・」
「まあね、ツライよねえ」
「でも、言いたい事をいわないといけないわ。コンナ事やアンナ事がおこってしまうのよ・・・」
「何があったの?辛かったでしょう、私に良かったら話してくれませんか???♡」
泣き出す被災者。。。

あのねえ、傷口に塩を塗り込むようなことは止めて欲しいと思う。やっと立ち直りかけている人を泣かせる事は無いだろう。
本当に必要な人に必要な治療を本当のプロがするべきだと思う。での、この本当のプロっていうのがまた問題で、「勘違いしている」人たちが多くて、その事実を認めたくないんだろう。こういうのを災害医療の世界では「人的二次災害」っていうのだけどね。