April 12, 2011
首都圏で自転車に乗るなら
震災後、エコ指向ということもあり、自転車移動が流行している。でも、僕は日本の首都圏、とくに東京や横浜の路上で自転車に乗ろうとは思わない。道路は狭いし、自転車専用道路は少ない。見通しの悪いところも多いし、自動車を運転するドライバーの自転車への意識が低い気がする。救急医療の現場でも、何回も悲惨な例を治療してきたし、僕自身何回も自分で自動車を運転しながらひやっとしたことがある。まず、自転車で走る人たちの意識がすごく低い。ヘルメットを被らないで平気で走行しているし、前と後ろに子供を括り付けて平気で走っている親(信じられない!明らかに虐待だ)も異様に多い。虐待している(自転車が倒れたら、括り付けられた子供は自分ではよけたり逃げたり出来ないのだ!)ことを自覚していないのはもっと罪。マナーも最悪。ヘッドフォンをかけながらとか携帯をいじりながら走行していたり・・・その結果がコレだ。「この道何年」みたいな、ちゃんとしている人はちゃんとしていて、道交法をしっかり遵守して安全に自転車を楽しんでいるけれど、まあアヴェレージのライダーはひどいもんだ。その意味から「自転車免許」は絶対に必要だと思う。ニュージーランドみたいな場所なら「自己責任」で全然問題ないんだろうけれどねえ。僕自身は、数年前に路上を走っていて路肩で脱輪してコケて以来、それがトラウマになって自転車には乗っていないんでエラそうなことは言えないんだけれど。
ちなみに、2011年1月6日の毎日新聞によると、日本では車道ではなく歩道から交差点を渡る自転車と交差点を左折する自動車の間での交通事故死者が多い点が研究により明らかになったと報じている。「自転車事故の7割超が交差点に集中し、その主要因は自転車の歩道走行にある」と。やはり、国内の自転車乗用中の死者は年間1000人近くで先進国の中で突出している。この数字は「死者」の話で、傷病者であればその数倍か数十倍になっていることは想像に難くない。欧州各国では道路幅が狭くても交差点付近の車道に自転車用通路を確保する(自動車に停止線の前にスペースを作っている)など対策が進んでおり、国内でも同様の対策が急務となっている。そこまで判っていれば早急に対策は立てられるだろうに。
それと、ここには指摘してないけれど、自転車が加害者になった「歩行者」への死亡事故や傷害事故も、決して少ない数じゃない。死亡事故も実際に起こっている。これも非常に問題で、多くの場合には補償さえされずに泣き寝入りになっているらしい。自転車が凶器になりうる、という啓発教育も大切だろう。
みんな「三輪車」にしなさい。あ、ちょっといいかも。