February 14, 2011

「雪の降る街を」は名曲だ

連休明けの月曜日。ハチャメチャに忙しく野戦病院あるいはシカゴのER状態だった。緊急入院も多かったけれど優秀なスタッフたちの頑張りで今日もなんとか乗り切れた。ありがたやありがたや。午後も諸事多忙でばたばたと走り回る。

午後からは雪が落ちてきてだんだんボダ雪状態となった。
こんな日に泳ぎたくなる人は少ないだろうとジムに寄ったら、案の定ガラガラで、気持ちよく10本500m。今夜は肩の負担を考えて、軽めに上がることにした。帰り道の雪を踏みしめながら歩いていたら、唐突に「雪の降る街を」の歌が・・・。何十年ぶりに頭のどこかから響いてきた。ダークダックス(だろうな、たぶん)の歌声みたいだ・・・。憶い出して頭の中にこの曲が流れ始めたら、なんともいえない「懐かしく」「もの哀しく」「たまらなく切ない」気持ちになった。

♪♪ゆっきのふるまちをー、ゆっきのふーるまーちをー♪♪

【作詞】内村直也【作曲】中田喜直。この歌詞、調べてみたら1951年のヒット曲だそうな。「高英男」とという歌手の歌ったラジオドラマの挿入歌らしい。戦後7年しか経っていない時代。僕はリアルタイムではなく、NHK「みんなのうた」でやっていたのを聴いたのだと思う。子供心に胸がきゅんと哀しくなったのを憶えている。

詩を書いた中原直也さんという方のことは全然知らないけれど、戦前の外地、たぶん満州の奉天あたりの街並の事を憶い出して、戦後に書いたのではあるまいか?と想像する。ネットによると、この歌の場面には諸説があって、山形県鶴岡市や新潟市の古町や北海道旭川が候補らしいけれど、真相は闇のなか。

感情を抑えた静かな流れの言葉が、あの時代の美意識なんだろう。曲も転調が効いていて後半に「救い」がある。そうすることで「救われた」人たちがいるはずなんだ。この歌そのものがドラマを想起させる。歌詞を読むと、どう考えてみても過去を顧みて「平和」を祈っている。

雪の降る街を
(歌詞、以下引用)
1) 雪の降る街を 雪の降る街を
  想い出だけが 通りすぎてゆく
  雪の降る街を
  遠い国から おちてくる
  この想い出を この想い出を
  いつの日か包まん
  あたたかき幸福(シアワセ)の ほほえみ

(2) 雪の降る街を 雪の降る街を
  足音だけが 追いかけてゆく
  雪の降る街を
  一人心に 満ちてくる
  この哀しみを この哀しみを
  いつの日か解(ホグ)さん
  緑なす春の日の そよかぜ

(3) 雪の降る街を 雪の降る街を
  息吹とともに こみあげてくる
  雪の降る街を
  だれも分らぬ わが心
  この空(ムナ)しさを この空しさを
  いつの日か祈らん
  新しき光ふる 鐘の音