January 20, 2011

天才、裏切り者、危ない奴、億万長者

研究日。病棟回診>消防署で産業医レクチャー>施設在宅の回診と、さくさく仕事をしてから、夕方より映画「ソーシャル・ネットワーク」を観にグランベーリーモール109シネマへ。この作品、数ヶ月前に予告編で観た時にはそんなに興味が湧かなかったんだけれど、先日のゴールデングローブ賞で4部門穫ったということで、観たかった「バーレスク」を差し置いて観る事にした。Facebookに対するボクの今の立ち位置については一昨日書いているけれど、それがどのように生まれたのかは興味のある所。

そんなこんなで、今話題のFacebookを創ったハーヴァードの学生達の姿を描く。主人公の男の子マーク・ザッカーバーグ(ジェッシー・アイゼンバーグ)は、映画のキャッチ曰く「天才、裏切り者、危ない奴、億万長者」。天才オタクのユダヤ人で変わり者である事は確かなんだけれど、なんとなく胡散臭くて危なっかしくて、はっきりいえばヘンな奴。共同で創業したエドゥアルド・サベリン( アンドリュー・ガーフィールド)は、ごくふつうの真っ当なハーヴァードの好青年(カナダ人の弟子のピーター君に雰囲気がそっくりだった)。ある時点から二人の友情が壊れて行くわけだけれど、これは単にお金の問題のトラブルというよりは、マークが一方的に親友で恩人でもあるエドゥアルドを切り捨てたって事だと思う。ふつう映画の主人公のキャラでは「・・・でも憎めない」とか「・・・でもかわいい」とか「やさしい」とかがあるんだけれど、この映画ではそれがない。最後の方で(美人)弁護士に「あなたはそのフリをしているのよ」って言わせたり、冒頭でフラれたElicaというボストン大学の女の子のFacebookのページを眺めているところで、映画を終わらせたりしてはいるけれど。僕は、若くして億万長者になった彼が、この先の人生どんな生き方をしていくのかが興味がある。

彼が友人の話からヒントを得てFacebookのアイデアをパクった後に発展させたのは確かだし、共同で創業した親友を切り捨てたのも事実。でも、それをしないでナアナアで学生ビジネスを続けていたら、たぶんハーヴァードのローカルなSNSでしかなかったんだろう。そこがビジネスとしての分岐点。この天才の彼は、「だってそれを創る能力があったのはボクでしょ、君たちにはナカッたでしょ。」ってうそぶく。この言葉に、民事裁判の調停会議の一同唖然とする場面。まあそのくらいの実力とキャラじゃなければアメリカであれほどの大成功する訳はないってことか。ヤな奴だけれど、実力を認めて、それを育てる社会。結局はお金という尺度で成功が計れるのアメリカ社会で、訴訟もそれぞれウン十億ドルという途方もない和解金で落ち着く。つまり、このストーリーはたしかに偉大なサクセスストーリーなんだけれど、いわゆる「美談」ではない。その反面、展開が本当っぽくてドキュメンタリー的ともいえるし、観客は彼らのサクセスの過程を追体験しているような感覚になる面白さもある。映画的には☆☆☆1/2かな。

それにしても(筋には関係ないけれど)、今でもアメリカの大学生って勉強もするけれどハチャメチャもするんだな。若く未熟ではあるけれど、自立した大人であるって部分は日本の大学生とは天と地ほどの違いがある感じ。

夕食はアウトバックのベイビーリブ。ウチにはお土産。ビールを1パイント飲んじゃったので泳がず。嗚呼、カロリーを消費しなくては。