社会の頂点の「輝かしい場所」から真っ逆さまに「どん底」に落ちてしまった人と会った。まだ若い(50歳そこそこ)のに仕事もせず日がなぼーーーっとして生活しているらしい。短パン&汚れたTシャツ姿。髪はぼさぼさで無精髭。つねにおどおどと視線が泳いでいて、まったく生気がない。テレビで見ていたころの面影はまったくない。まさに「抜け殻」みたいな印象。そんな状況でも、礼儀正しいし言葉使いは丁寧で、育ちの良さと人柄の穏やかさが垣間見え、それが逆に彼が受けた仕打ちの厳しさを物語っている気がした。
名門の出身で華麗な閨閥、さらに彼自身も努力したんだろう、東大を出てる。当時(調べてみたら、ほんの2年前)は清潔でばりっとしたスーツ姿だったし、自信溢れて順風満帆の人生を進んでいた人。それが、ある事件をきっかけにどん底に突き落とされた。当時のマスコミのバッシングは激しく情け容赦ないもの(さらにいろんな所で「笑い者」にされた)で、僕(だけでなく世間は皆)は「こいつは悪いヤツだ」という印象を植え付けられたくらい。育ちの良さや彼自身の立場(大金持ちで社会的立場も高い)に対する完全なやっかみや妬みが、逆の形でその「社会的苛め」を助長したのだ。ある意味、社会のスケープゴートにされた。いつでもマスコミは「正義の味方」を徹底的に演じるのだ。でも今考えてみると、ハトヤマとかオザワの資金問題ほうが全然悪質だと思うし、彼らがそれでも開き直っているぶん、さらに気分が悪い。
超名門の家に生まれ、お金も十分に持っているし、さらに自身の能力だってあるのに、「転落」するとあんな状態になってしまう。社会的に葬られるって、本当にコワいなって思った。今の彼の無念さと虚無感は、どんなものなんだろう。あの状態だと立ち直って、一からやり直すにはまだ時間がかかるだろうけれど、彼にはその能力があると思いたいし、神様はどこかでそれ見ていると信じたいんだけれど。