August 9, 2010

吉田堅治さんのこと

NHK 『生命"Inochi"〜孤高の画家・吉田堅治』放送。2009年の2月のことだ。ご縁があって吉田画伯の最期を看取った。成田から病院に直行し入院。彼自身、ご自分に残された時間が限られたものであることはわかっておられたと思う。40年住んだパリを離れて、人生のタッチダウンのために日本に帰る気になったのだろう。サムライの研ぎすまされた感性を体現する風貌。実に穏やかな方だった。一言で言えばチャーミングな人。病院内のすべてのスタッフにどんなことでも合掌して、最期の最期まで微笑んでおられた。辛いとか痛いとかの訴えは全くなかった。人生の悟りの境地というのはこういうものなのかもしれない、と思った。

今日番組を拝見して、彼の人生を辿ってみて腑に落ちた気がした。

生前、彼が家族の方に託して僕が頂いた絵は、まさに家宝だ。今日改めてその絵を眺めてみて感無量。絵に向かって合掌した。