先日訪れた京都で買ってきた「写経」のスターターキットで般若心経を写経してみた。半紙に薄墨で書いてあるのでそれを筆ペンでなぞるだけなのだけれど、30分以上かかる。初めは面白半分だったけれど、一筆一筆一字一字を書いていくうちに、だんだん集中してきて、静かで不思議な気持ちになってきた。262文字。
「不」とか「無」はあるんだけれど、「非」とか「否」はないのだな・・・とか考えながら。子供の頃から馴染んだ(ほぼ暗唱できる>笑)般若心経の文字の重さを感じつつ。般若心経にある智慧(思索)が、心に染みて癒してくれる。本来は仏教徒の修行として、身を清めて背筋を伸ばして心をこめて写経をするべきものだろうけれど、現代に生きる我々俗人はリラックスして写経するのもありなんじゃないか、と再認識した。
癒しとか心の平穏を得るための方法としての写経は、心のストレッチになる。特定の宗派にハマるつもりは全然ない(笑)けれど、僕ら日本人はあまりにも「心の芯」となるような宗教的基盤がなさすぎる気がして、反省しつつ。般若心経のブームはこれからも続くだろう。
閑話休題。
先週或る人から聞いた話。sexually active で健康な男女がそれぞれ1000人ずつ居たとして、僕らの世代だったら80%はカップルが出来ていた。ところが、今の時代では違うらしい。1000人ずつの男女がいたとして、恋愛率はむしろ上がっているのに、結婚というステディーなカップルが成立する率は激減してせいぜい30%ということらしい。つまり、自分たちだけでパートナーを捜すのはなかなか大変なのだということだ。結婚するということは家庭を持つということで、それをあえて望まないという若い世代の考え方。そんな状況で着々と活動しているのが「新興宗教」なんだと。「S学会」とか「R会」とか「P教団」とかが、あれだけの信者とか会員を集められるのは、彼らの布教戦略としての「結婚相手探し機能」らしい。ふーん。たしかに、息子や娘が縁遠くて心配した親や親戚が入信させるというのはあり得る話だ。