毎年恒例の学会。2年前にこの学会長をやったのが、ついこの前みたいな感覚なんだけれどなあ(笑)。今日の井沢元彦さんの講演はとても興味深く面白かった。「学問としての歴史」に、何となく噓くさい部分(例えば「どうしてそんな事わかるの?」的な事)や胡散臭い部分(例えば、捏造されたり政治的に利用されたりされやすい事)などについて、以前から僕も多少の疑問を感じていたので。今日の話は解りやすく、納得できる内容だった。ふむふむ、「史料による実証主義」の陥りやすい誤謬、常識との乖離ってことなんだな。彼の著書の「常識の日本史」を帰り道に読み始めたけど、なかなか面白い本だ。
帰路あまりにも素晴らしい天気だったので、寄り道をすることにした。ふと思い立ち、池袋から丸ノ内線で茗荷谷へ。茗荷谷から拓大脇を通り過ぎて、小日向を通って水道町、石切橋へ。小学校のころたぶん30分近くかかって歩いていたので随分長い距離を歩いていたと思い込んでいたけれど、実はゆっくり歩いても15分くらいだったのには驚いた。でも、小日向の住宅街って文京区の昔の雰囲気がまだ残っていて、懐かしい「壁」や、切り通しの「石垣」とか、古い坂道や階段があって、しばしタイムスリップ感覚。昔住んでいた社宅はすっかり壊されていて工事中。結構広い敷地だったんだ。それから、以前のここのログでも書いた雪遊びをした坂道も通った。記憶では一年中薄暗い細い坂道だったけれど、わりと普通の坂(笑)。じょうじ君の実家を通り過ぎで石切橋の袂近くの「はし本」へ。昼食はすでに食べていたけれど、微かに漂う鰻の匂いを嗅いだら堪らず扉を開けてた(笑)。昔とほとんど変わっていない店内で鰻重をいただく。タレは甘さを抑えてあって濃口で香ばしい。鰻はフワフワ&表面は香ばしい。ふむ、この味だ。ああ、美味しい。味覚というのは原体験として憶えているものだな。このまま歩いて、矢来町から神楽坂経由で九段下まで歩いちゃおうかとも思ったけれど、後日時間をかけて歩いてみたいので、次回のお楽しみとして今日は帰ることとした。
帰路ジムに寄り6本300m。帰り道ふと西の空を見上げると細三日月の上に金星。ウソみたいにバランスがとれていて美しかった。僕が気付いたのが19時半ころ。Twitterを見てみると案の定、盛り上がってた。なんと、月+金星+ISS+シャトルが見られたらしい。この、同じ月を見た感激を共有できる人が何万人も「繋がっている」感覚って、すごいな。「1983」の情景みたいだ。