April 4, 2010

家宝ふたたび

僕の病院に診察に通っているYさんご夫妻から、先週ずいぶん大きな頂き物をした。もともとYさんご夫妻のお宅にあったもので、芸術に興味があれば、是非お宅で御持ち頂き保存して頂きたいのですが・・というお申し出を(あまり深く考えず)有り難く受けることにしたのだ。ご説明によると、ご主人が現役の編集者だった頃作った本(日本料理の大家の食に関するエッセイで、料理人のバイブル的な本)の表題と挿画(茄子)を「知り合いの画家の方」に頼んで書いてもらった時の「書」のオリジナルだとのこと。へえ、そんな貴重なものを頂いてよろしいんですか?と僕。ええ、良さを判る方にこれから先持って頂いた方がよろしいと夫婦で考えたものですから是非お願いいたします・・・と、おっしゃるお二人。「味覚三昧」土牛 と素朴でさりげなく淡々とした筆。

アマゾンにて早速本を入手。えっ?土牛???もしかして・・・とウィキペディアで検索すると、奥村土牛。日本芸術界の巨匠にしてドン(日本美術院のトップ)、文化勲章授章受賞、1990年に101歳で亡くなった時には作品にかかる多大な相続税に悩んだ子息がスケッチを焼却処分(!)したらしい。さらにその後、いろいろと調べるに至って、これはとんでもなく貴重で大変なものを預かってしまったのだ!ということを知り、慌てて恐縮千万のお礼の手紙をシタタメることとした。去年の吉田堅治さんの絵とともに、間違いなく家宝。さて、どこに飾るかな・・・(我が家には日本間がない>涙)