Good Newsだけを伝えるのであれば全然悩む余地はないのは当たり前だけど、Good News とBad Newsがあって、それを人に伝えるとき、Bad Newsのほうに重点がある場合がほとんどだ。コミュニケーションのテクニックとしてだけでなく、双方の心理的緩衝作用を期待して。
医者は、しばしば患者とその家族にBad Newsを伝えなくてはならない。ある意味それが仕事だ。医者になって25年以上経つのに、今でもいつでも、気が重くなる時だ。欧米の卒前&卒後医学教育の中では、コミュニケーション論の講義と実習が必須になっている。日本ではやっと最近になって、欧米の医学教育を実際に経験した僕らの世代のチューターが、その重要性を主張してアンダー(卒前)の医学教育システムとして組み込まれるようになってきた。でも、机上の教育だけで解決するわけもなく、個人の試行錯誤を通しては人は成長するのであるけれど。
僕はBad Newsほうから伝えることにしている。出来うる限り正直に真摯に伝えること。これが一番大切だと思う。そしてGood Newsについても、それと同じくらいかそれ以上の熱意と心配りをしつつ伝えなくてはならない。Bad Newsを「ごまかす」ためではない。受け止め人にとって、いかに前向きにそのBad Newsを受け止められるか?というきっかけになれば・・・と。今日も気の重いICだった。僕なりにベストを尽くして伝えたつもりだけれど。
夜は、医師会の定時総会。執行部理事として出席。ああ、もう一年経つのだなあ。しみじみ/