March 10, 2010

自虐的報道


「日本人の悲観中毒を治そう」(竹中正治氏)という、今朝読んだ日経ビジネスOn Lineの記事。まったく同感。日本人(というか日本のマスコミ)って、世界の各国(欧米各国はもとより、最近ではとくにアジア諸国)と比較して、その数字を必要以上に悲観的に読みとり報道するという、自虐的な傾向がある。僕も常々思っていたけれど、この記事で溜飲を下げた感じ。

以下、部分引用=======

「GDP(国内総生産)規模で中国に追い抜かれ、世界第3位に転落する」
「バブル崩壊の1990年以降、日本経済は成長が止まり、一方で世界は日本以外すべてが成長」
こうした「事実」に基づいて語られる日本経済悲観論にうんざりしているのは私ばかりではあるまい。こうした「事実」は嘘ではないが、問題はそこから抽出される含意にある。(中略)

「危機感駆動型ニッポンの危機!?」で指摘した通り、今の日本の危機感の横溢は、それをバネに局面を打開し、変革を実現するというよりも、むしろ自己暗示的な自縛や閉塞を生んでしまっていると思えて仕方がない。(中略)

 例えば、あなたは年間所得1000万円から1100万円に増える生活と、年間所得100万円から200万円に増える生活を比べて、どちらを選ぶだろうか。私だったら間違いなく前者を選ぶ。過去10年間の日本と中国のGDPの変化が意味していることは、大雑把にはこういうことだ。もっと正確に言うと、2000〜09年の期間で日本人の1人当たりGDPは2万5334ドルから7483ドル増えて3万2817ドルになった(増加率29.5%)。一方で中国人の1人当たりGDPは2377ドルから4169ドル増えて6546ドル(増加率175%)になった(いずれも購買力換算ベース、出所:IMF World Economic Outlook Data Base, October 2009)。

 もちろん、中国では急激に所得格差が広がっているので、金持ちも大勢生まれているから平均値で比較できない面もある。だからと言って、日本も同様に格差拡大で金持ちを生み出したいとは普通の人は思わないだろう。(後略)

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ふむ、なるほど。
結局は政治マターということなのだ。